キリスト教信者が多い国別ランキングと題して、世界でキリスト教信者が多い国を1位から10位まで順にご紹介します。
プロテスタントとカトリックの比率や地域別のキリスト教信者の状況も説明します。
プロテスタントとカトリックの違いですが、厳密なことを説明するときりがありませんので、以下のように理解すると
わかりやすいのではないかと思います。
プロテスタント(指導者=牧師、宗教施設=シンプルな構造な教会)
カトリック(指導者=神父、宗教施設=大聖堂等、厳かな雰囲気と建造物からなる教会)
キリスト教信者が多い国ランキング
第1位 アメリカ
キリスト教信者:約2億4000万人
アメリカ建国の経緯から、プロテスタント系が多く、カトリック系の約2倍の信者がいます。
歴代のアメリカの大統領でカトリックは、暗殺されたケネディ大統領だけです。
第2位 ブラジル
キリスト教信者:約1億7000万人
ブラジルは、中南米を植民地支配したスペインの影響でカトリック系が約7割を占めています。
第3位 ロシア
キリスト教信者:約1億2000万人
ロシアは、ロシア正教徒の割合が75%となっています。
旧ソ連時代は、宗教弾圧を受けていましたが、今では世界有数のキリスト教国です。
第4位 メキシコ
キリスト教信者:約1億1000万人
メキシコは、中南米を植民地支配したスペインの影響でカトリック系が約8割を占めています。
第5位 ナイジェリア
キリスト教信者:約9200万人
ナイジェリアは、アフリカ最大の2億を超える人口があり、イスラム教徒も多いですがキリスト教徒の数は世界有数の水準です。
第6位 フィリピン
キリスト教信者:約9000万人
ASEAN唯一のキリスト教国。
フィリピン植民地支配したスペインの影響でカトリック系が約8割を占めています。
フィリピンは、スペインの植民地支配を受ける前はイスラム教徒の多い国でした。
イスラム教国からキリスト教国となった稀な例です。
第7位 コンゴ民主共和国
キリスト教信者:約6800万人
ベルギー領だった影響から、歴史的にキリスト教信者が多い国として現在に至っています。
第8位 エチオピア
キリスト教信者:約5500万人
イスラム教徒も多いですが国としてはキリスト教信者が多くなっています。
第9位 イタリア
キリスト教信者:約5400万人
カトリックの総本山であるバチカンがあるイタリアは、カトリックの割合が80%を占めています。
第10位 ドイツ
キリスト教信者:約5000万人
ドイツは、プロテスタントの創始者であるマルチンルターの母国のため、カトリックが約27%、プロテスタントが約25%と拮抗しています。
★コメント
世界の人口をはじめとした、人数を単位とするランキングの上位常連の中国もインドもランクインしていないことがキリスト教信者数国別ランキングの特長の一つです。
インドはヒンズー教やイスラム教が多く、中国は宗教が規制されており、キリスト教信者の数も影響力も大きくありません。
中国やインドを含め、世界で人口が最も多いアジアではフィリピンだけが突出してキリスト教徒が多くなっていて、それ以外の国は韓国が多いくらいであとは、キリスト教不毛のエリアのような状況となっています。
ちなみに日本は、キリスト教の布教に失敗した国と見なされており、人口の約1%の信者がいると推定されています。
ヨーロッパにおけるキリスト教信者の状況
ヨーロッパの人口は約7億3千万人います。
そのうちキリスト教信者の数はカトリック教徒が38%、プロテスタントが10%、東方正教会が22%、イギリス国教会(聖公会)が4%となっており、全体の約75%がキリスト教信者となっています。
特にキリスト教信者の数が多い国としては、ドイツ、イタリア、ロシアが挙げられます。
ドイツは、人口約8300万人のうち、カトリックが約27%、プロテスタントが約25%となっており、人口の半数以上がキリスト教信者ということになります。
しかし、ドイツでは、現在、無宗教徒の割合が37%に達していたり、移民の増加によるイスラム教徒の増加などにより、
社会に対するキリスト教の影響力が年々減少している状況となっています。
イタリアは、人口約6036万人のうち、カトリックの割合が80%となっています。ローマにはカトリックの拠点であるバチカンがあり、
現在でもカトリック自体がイタリアに根付いている状態といえます。
そして、ヨーロッパの中で最もキリスト教信者の数が多いのが、ロシアです。
人口約1億4680万人のうち、ロシア正教徒の割合が75%となっています。
ソ連邦時代は信仰は弾圧の対象でしたが、ソ連崩壊に伴い、宗教に対する弾圧はなくなり、信者の数は増加しています。
北アメリカおけるキリスト教信者の状況
北アメリカ(アメリカ・カナダ)の人口は約3億7,000万人います。
そして、キリスト教信者の数が圧倒的に多い国がアメリカです。
アメリカの人口約3億3,200万人のうち、約75%がキリスト教徒です。
プロテスタントが約50%、カトリックが約25%となっています。アメリカは世界最大のキリスト教信者を有している国であり、その影響力は絶大なものがあります。
「WASP」というものがあり、白人であり、そして、プロテスタントでないと社会的リーダーにはなれないとされる時代もありました。
近年では、若い人たちを中心に宗教離れが起きているとされています。
しかし、中絶、同性愛などの多くの分野において、いまだ宗教的要素が問題となっていたりと、その他のヨーロッパの先進国と比べても、キリスト教の影響力が非常に大きい国と言えます。
中南米おけるキリスト教信者の状況
中南米(メキシコ、中央アメリカおよび南アメリカ)の人口は約五億五千万人です。そのうち87%がカトリックで、10%がプロテスタントとなっています。
その中でも、キリスト教徒の数が多い国として、メキシコ、ブラジルが挙げられます。
メキシコは、人口約1億2,601万人いて、そのうち約8割がカトリックです。
16世紀、メキシコはスペインの植民地とされ、その際にカトリックがメキシコへと伝来しました。
スペイン語圏では最もカトリックの多い国とされています。
「グアダルーペの聖母」は、聖母の出現の一つであり、メキシコで最も愛されている宗教的シンボルです。
次に、ブラジルの人口は約2億947万人で、そのうち、カトリック約65%,プロテスタント約22%となっています。
メキシコ同様、信者の大多数がカトリックとなっています。
アジア・オセアニアおけるキリスト教信者の状況
アジアの人口は約45億人いますが、キリスト教信者の数が少ない地域と言えます。
イスラム教が23%、ヒンズー教が22%、仏教が10%であるのに対して、キリスト教は9%程度です。
その中でも、キリスト教信者が大多数を占める国、それはフィリピンです。
フィリピンの人口は約1億903万人、そして、キリスト教信者の数は90%を超えています。
そのうち、83%がカトリックです。アジアで唯一のキリスト教国といえるでしょう。
もともとイスラム教徒が多い国でしたがスペインの植民地支配を経て、世界有数のキリスト教国となっています。
そして、オセアニア地域の人口約4150万人のうち、カトリックは26%、プロテスタントは42%であり、全体的にキリスト教信者の数が多い地域となっています。
これは、オセアニアにはオーストラリアなど、かつてイギリスの植民地だった国が多いことが要因となっています。
中東・アフリカおけるキリスト教信者の状況
中東の人口は約5億人、その中でキリスト教信者の割合は10%程度だと思われます。
ほとんどの国がイスラム教国家であり、イスラム教信者の数はかなり少ない地域です。
例外的にレバノンでは人口約526万人のうち、キリスト教信者の割合が40%となっています。
次に、アフリカの人口は約12億人程度、そのうち、キリスト教信者の割合は約40%程度、イスラム教徒の割合も約40%程度とほぼ同じくらいの数です。
アフリカの中で、最もキリスト教信者の数が多い国がナイジェリアです。
ナイジェリアの人口は約2億614万人、そのうちキリスト教信者の割合は約40%となっていて、ほぼ国の南部に集中しています。
ナイジェリアがかつて、イギリスの植民地だったことが要因です。
次いでエチオピア、コンゴ民主共和国がキリスト教信者の数が多くなっています。
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