■サイレントマジョリティーの意味とは?
サイレントマジョリティーとは、”物言わぬ多数派”、”静かな多数派”という意味です。
ニュースや新聞で見聞きするニュースでよく●●反対運動というのを目にすることがあると思います。
よくあるのが、ある地域に公共施設を建設しようとすると反対運動が起こったりします。
反対運動をしている人は、公的機関の主催する説明会に参加して、意見を述べたり積極的に行動したり、発言します。
一方、”賛成運動”という言葉がないように、一般的に”ある事象”に対して賛成している多数の人は、わざわざ”賛成しています”という意思表示はしません。
反対運動の結果、地域でその賛否について投票に持ち込まれても、賛成のほうが多いことがしばしば。
このように、積極的には意思表示をしない多数派のことをサイレントマジョリティーといいます。
■著名な政治家のサイレントマジョリティーに関する事例
★日本
日本の戦後の最大の政治闘争となった1960年のいわゆる「安保闘争」の際に、当時の岸信介が「国会周辺は反対派のデモで騒がしいが、銀座や後楽園球場はいつも通りである。私には“声なき声”が聞こえる」と発言。
安保反対運動に参加していない国民を声なき声という言葉で暗に”サイレントマジョリティー”の存在を指摘しました。
★フランス
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、就任以降、マクロン流改革として、公務委員改革等労働者の不利益になりるような政策を実行。
そのため若い世代を中心とする集団化からデモや抗議活動を連日のように受けています。
しかし、フランスの世論調査では、フランス世論の6割以上がマクロン大統領を「方向性が明確」と支持しているのも事実。
これを受けて、マクロン大統領は「政府はサイレントマジョリティーに支持されている」と表明しています。
フランスの著名な政治学者のジャック・アタリ氏は、マクロン大統領が連日、デモで抗議を受けている事態を受けて、
”彼は国に必要な政策を実行しているから、抗議を受けている。そもそも何もしなければ、抗議もうけない”という見方を披露しました。
■サイレントマジョリティーの反対語とは?
サイレントマジョリティーの反対語は、ノイジー・マイノリティーです。
要するに騒がしい少数派。
ノイジー・マイノリティーは、些細なことでも抗議するという点でクレーマーに近い。
■まとめ
サイレントマジョリティーの意味は、”物言わぬ多数派”、”静かな多数派”。
反対語はノイジー・マイノリティー。
サイレントマジョリティーについては、上記の事例のように時の権力者に自分の主義・主張を擁護・補完するために用いられることがよくあります。
そういう意味で、サイレントマジョリティーは、一定の意図をもった人物に都合の良いように使われやすいという側面を持ち合わせているといえそうです。
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