共産主義の対義語が資本主義であることをわかりやすく説明します。

政治用語の違い

共産主義の対義語が資本主義であることを歴史的経緯や資本主義社会、社会主義社会
共産主義社会の違いを踏まえつつわかりやすく説明します。

共産主義について、経済分析、人類社会の歴史的考察に基づいて、体系化、社会科学理論として打ち立てたのはドイツの哲学者のカール・マルクスです。

カール・マルクスによれば、人類社会は、
資本主義社会→社会主義社会→共産主義社会というように必然的に進んでいくと説きました。
カール・マルクスが生きた時代は、イギリスが産業革命を経て、本格的な資本主義社会を世界で初めて築きつつある時代でした。

カール・マルクスによれば、資本主義社会には、以下のような特長・欠点があるとしました。



資本主義社会とは?

・国全体の経済活動が、企業家・資本家の自由意志、私利私欲によって運営されている。
・労働しか提供できない労働者階級が企業家・資本家によって、不当に経済的に搾取されている。

・資本主義社会が進むにつれ、企業家・資本家と労働者階級の貧困の差が激しくなっていく。

カール・マルクスは、上記のような資本主義社会の特長・欠点を解消するためには、私有財産制度を廃止して、企業活動を国家が担い、計画的に運営することが必要であると考えました。

さらに資本主義社会からまず、第一段階として国家が経済活動を計画的に運営する社会主義社会を打ち立てる。

資本主義社会から社会主義社会に移行するためには、社会主義革命によって、労働者階級(プロレタリアート)が国家権力を握り、資本家・企業家に対して独裁政治を行わなければならないと説きました。

※ロシア革命は、このプロセスの通りに進行、世界初の社会主義国家ソビエト社会主義共和国連邦を成立させました。

その後、社会主義社会が進展した段階で共産主義社会に移行するという共産主義理論を考え出しました。

社会主義社会とは?

・労働者階級(プロレタリアート)の利益を代表する共産党による、一党独裁による国家運営が特長。

・私有財産制度は廃止され、企業や土地はすべて国有化されることで、資本家・企業家による労働者階級への抑圧や搾取がない社会。

・原則として、賃金は平等に分配。




こうした、社会主義社会が進展するとその先に共産主義社会があるとカール・マルクスは見立てました。

共産主義社会とは?

カール・マルクスは、社会主義社会の進展を通じて、搾取や抑圧を知らない世代が国民の多数を占めるようになった時点で、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会が実現すると説きました。

共産主義社会は、国家権力が存在しない、何の搾取も抑圧も戦争もない共同社会ということになります。

現時点で社会主義国家から共産主義社会に移行した国は一つもありません。

そうしたことから、共産主義社会は実現不可能なユートピアに等しいという見方が有力です。

上記から、資本主義社会の対義語は共産主義社会ということになります。

資本主義社会

国家権力=民主主義手続に基づく、議会政治を根拠とした政府が国家を運営
経済活動=資本家・企業家・大地主等により運営
私有財産制度=あり
労働者階級(プロレタリアート)=あり

共産主義社会

国家権力=なし
経済活動=共同社会による運営
私有財産制度=なし
労働者階級(プロレタリアート)=なし
ただ、資本主義社会は現在も存在していますが、共産主義社会の実例はありません。



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