中国の国家主席と総書記・首相・中央軍事委員会主席の違いをわかりやすく説明

中国の国家主席とはどんな地位・役割・歴代の国家主席

①国家主席とはどんな地位・役割?総書記・首相との違いとは?

国家主席とは、中華人民共和国のトップを意味しますが、その役割は時代とともに変化しています。
毛沢東主席時代は、独裁者的な存在で、国防や外交そして国家の最終意思決定を行っていました。

しかし、毛沢東死去後は、国家主席よりは、中国共産党の党首を意味する中国共産党総書記に実権が移るようになっていきました。

基本的に国家主席と中国共産党総書記は兼任とされ、共産党のトップがそのまま国のトップになるという仕組みになっています。

最近は、国家主席であって中国共産党総書記でないというケースはありません。

ですので、国家主席になるためには中国共産党総書記は必須条件ということになります。

中華人民共和国のような共産主義国では、”共産党が国家を指導する”という体制のため、中国共産党のトップである
中国共産党総書記は常に国家元首的な存在です。

また、中国の首相とは、国務院(日本での内閣に相当)の最高責任者としての地位にあり、職務は主に内政全般についての意思決定に限定されています。

②中国の歴代国家主席一覧

毛沢東(1954年–1959年)、劉少奇(1959-1968)、李先念(1983-1988)、楊尚昆(1988年–1993年) 、江沢民(1993年- 2003年) 、胡錦濤(2003年–2013年)、習近平(2013年–現在)、以上が歴代の国家主席です。



国家主席と国家元首との違いとは?

国家主席とは、その国の最高指導者であり、いわば大統領と同じです。

一方で、国家元首とは、その国を最も代表する人物のことであり、一番偉い人、もしくはその国を象徴する人物に付与される名前でもあります。

イギリスでの女王、日本だと天皇の存在がこれに該当します(日本は明確に認めてはいません)。
そして、中国のような社会主義国家の場合には、基本的に国家主席が国家元首となっており、その国の最高指導者であり、また、その国を代表する人物でもあります。

中国の国家主席と総書記・首相の選出方法と任期

①国家主席の選出方法と任期
国家主席は、日本での国会にあたる全国人民代表大会(全人代)によって選出されます。

以前は任期は2期10年までしたが憲法が改正され、この任期制限が撤廃されました。

これにより、国家主席の任期はなくなり、現国家主席である習近平の終身国家主席が可能となりました。 

②総書記の選出方法と任期
中国共産党の最高意思決定機関である中国共産党全国代表大会が選出した中央委員会というものがあります。

そして、総書記はこの中央委員会によって選出されます。

任期制限はありませんが、慣例として68歳が定年とされています。もっとも、習近平はこの慣例には従わず、総書記としての地位に居続けるだろうと予想されます。

③首相の選出方法と任期
首相は国家主席によって任命され、選出されることになります。任期は2期10年です。

国家主席と総書記・首相で一番偉い役職とその理由

中国のリーダーは国家主席であるため、国家主席が一番偉いとも思えますが、そうではありません。
中国は、共産党による一党独裁国家です。いわば、中国という国自体が共産党の支配体制下にあるともいえます。 

したがって、中国のリーダーである国家主席よりも、共産党のトップである総書記が一番偉い役職といえるでしょう。

また、首相は、中国共産党序列2位の人物が務める慣例となっていますので、一番偉い役職とはいえません。




中国の首相と日本の首相の違いと同じ役割について

日本の首相は、行政府の長であり、内政、外交すべての最終意思決定者です。

一方、中国の首相の場合、職務は内政に限定されており、基本的には国家主席の決定に従うことになっています。

内政の役割に関しては日本の首相と同じですが、外交、国防に関する職務の役割については、日本の首相とは異なります。

中国中央軍事委員会主席と国家主席と総書記との関係

①中国中央軍事委員会主席とは?
中国中央軍事委員会主席とは、中国共産党の軍隊である人民解放軍のリーダーのことを指します。

②中国中央軍事委員会主席はどんな役職の人が就くのか?
歴代の中国中央軍事委員会主席はいずれも権力のトップに君臨してきた人物ばかりです。

基本的に中国中央軍事委員会主席、国家主席、総書記は同一人物が兼任することが慣例となっており、共産党の中でも核心的な人物でないと就くことはできません。
中国中央軍事委員会主席とは軍を掌握することを意味し、中国のような独裁国家では特別な職といえます。
したがって、絶対的な権力者しか就くことのできない役職となっています。

③中国中央軍事委員会主席と国家主席と総書記との関係
前述したように基本的には、3つすべてを兼任することが慣例となっています。

しかし、国家主席や総書記であっても、中国中央軍事委員会主席の席に座ることのできなかった例もあります。
絶対的な権力者であった鄧小平は、国家主席・総書記を務めたことはありませんが、中国中央軍事委員会主席はだれにも譲りませんでした。

それだけ、人民解放軍を指揮するというのは、中国では特別だということです。




コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました