そもそも共産党とはどんな党?
共産党とは、共産主義社会を理想の社会としてその実現を目指すことを目的とした
政党です。
共産主義社会とは、簡単にいうと”自由より平等を重んじた社会”で国民の経済的な平等を実現するため、私有財産制の廃止、民間企業の国営化、国家による計画経済といった
政策を実施することが特長です。
共産主義社会では、日本やアメリカのような資本主義社会では認められているプロ野球やプロサッカーのような存在は認められず、また株やFX、不動産で生計をたてるというようなことも認められません。
キャッチフレーズは”働かざるもの食うべからず”。
要するに人類の夢?である”寝て暮らす”という生き方は認められないのです。
日本の政党というと民主党が立憲民主党になったり、新生党ができたと思ったらいつの間にか?なくなったりと政党名がクルクル変わるというイメージが強いです。
でも日本共産党は、創立以来一度も名前が変わったことがありません。
日本共産党は、東京の代々木に本部があり、党員は約30万人。
党の職員は約1000人。
党の機関紙の赤旗は、毎日発行されています。
日本共産党 概要
・創立 1922年7月15日 東京渋谷で創立
・本部住所
東京都渋谷区千駄ヶ谷4‐26‐7
・党員数
約30万人
・党機関紙
赤旗
※発行部数 約110万部
共産党の歴史
共産党は、旧ソ連に本部があった世界各国に共産主義を広めることを目的としたコミンテルンの日本支部として創立されました。
自民党や公明党、立憲民主党等、日本固有の政党名が多い中、共産党という党名は世界共通で日本共産党は、”日本の共産党”という意味になります。
日本共産党が1922(大正11)年の党創立以来、一度も党名を変更していないのは、このためです。
その間、戦争反対を叫んだり、天皇制に反対したりしたため、国家から厳しい弾圧をうけ、多数の指導者が牢獄に送られたという暗黒時代にも遭遇しています。
共産党はかつては、旧ソ連(現ロシア)、中国、キューバ等の共産主義国だけでなく、フランス、イタリア、スペイン等の資本主義国にも存在し一定の支持を集めていました。
現在、ドイツやスペインでは、共産党は”全体主義志向の政党で民主主義とは相容れない存在”として憲法で共産党の存在が禁止されています。
先進国で共産党が国会で議席を維持しているのは、日本とフランスくらいで世界的にみれば珍しいのです。
共産党の政治勢力、女性議員の比率が高いのが特長
2019年4月現在の国会における議員数は下記の通りです。
国会
・衆議院
12人
・参議院
14人
地方議会にも多数の議員を送りこんでいます。
地方議会
2,763人
※県単位の議会から市町村議会の議員数の総計
また、共産党の特長は女性議員の比率が高いこと。
地方議会議員2,763人のうち、女性議員数は1000人。
女性議員の比率は36・2%で5・4%にすぎない自民党に大きな差があります。
世界的にみて、国会をはじめとした議員における女性の比率が著しく低いことが
指摘されていますが、共産党に関しては既に女性の登用が国際基準レベルとなっている
ことが特長です。
次に共産党の顔ともいうべき幹部の顔ぶれをみていきます。
共産党の幹部は、党大会で決定されます。
現在の幹部は2017年1月18日に行われた党大会で選出されています。
共産党の最高幹部一覧
・委員長
志位 和夫
・書記局長
小池 晃
・副委員長
市田忠義、緒方靖夫、田村智子、浜野忠夫、広井暢子、山下芳生
共産党の幹部は、トップが委員長でナンバー2が書記局長です。
以前は、中央幹部会議長や書記長という役職が党のトップでしたが、
現在は委員長がトップとなっています。
志位 和夫氏は委員長に2000年に就任していますので
日本の政党の中で圧倒的に長く、その地位を維持しています。
最高幹部に女性2人が名を連ねていることが共産党らしい点です。
次に、共産党の政治スタンスはどうなのかみていきます。
結論からですが、安倍政権の政策に基本的に全部反対という政策を主張しています。
共産党の政治スタンス
経済に関する政策
共産党は、所得の少ない人・経済的弱者の立場に立つ政治を志向していますので
経済に関しては、”大企業や富裕層から出来るだけ税をとるという立場です。
従って、所得の少ない人ほど負担感が重くなる消費税増税については反対しています。
憲法に関する政策
共産党は護憲を旗印にしていますので、安倍政権が進めようとしている憲法改正には反対の立場です。
安全保障に関する政策
日米安保条約については廃棄、自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとるという政策を主張しています。
ですので、沖縄基地については移転も含め、全て反対、廃止すべきだとしています。
カジノ法やTPPについて
カジノ法やTPPについては、どちらも国民の利益に反する制度として反対という立場です。
天皇制・元号について
将来的には廃止される制度と看做しています。
元号については必要がないという立場です。
共産党の国会議員は、天皇が出席する開会式には一時期、全議員が欠席するのが通例でした。
党の機関紙の赤旗では、皇族については記事中で皇太子、天皇、浩宮等、敬称抜きで報じています。
政党交付金を受け取らない唯一の党
政党交付金は、国が政党に対し金銭的な助成を行うことで、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図ることを目的としたものですが、共産党はこれまで一度も受け取ったことがありません。
政党交付金を受け取らない唯一の党がウリ?の共産党ですが、実は日本の政党で有数の
お金持ちなのです。
もちろん、自民党のように企業から献金を受け取るということもしていません。
共産党はお金持ち?
総務省が公表した平成29年分の政治資金収支報告書によると、政党本部の収入は自民党が28年比7・2%増の258億6千万円で5年連続トップ。野党第一党の立憲民主党は12億5千万円。
共産党は212億7千万円で自民党に次ぐ2位となっています。立憲民主党の約20倍もの
収入を得ているのですから日本政党の中で有数のお金持ちです。
なぜお金持ちかというと共産党は、約30万人の党員から収入の1割にあたる党費を徴収しているうえに、約100万部と大新聞並みの発行部数を誇る赤旗からの収入が相当あるからです。
東京・代々木にある党本部の建物は、企業でいうと自社ビルで、共産党は財務的には優良企業レベルにあります。
破壊活動防止法の調査対象団体
2016年3月に鈴木貴子衆議院議員が「日本共産党と破壊活動防止法に関する質問主意書」を政府に提出しました。
提出の目的は、”共産党が破防法の調査対象かどうか”確認するためでしたが、政府は
「日本共産党は現在においても破壊活動防止法に基づく調査対象団体である」と答弁しました。
破壊活動防止法は、そもそも戦後に起きた共産党が関係したとされる数々の騒乱・事件をきっつかけに制定された法律ですが、平和路線に転換したと表明している現在も共産党が破壊活動防止法の調査対象団体であることが明らかにされました。
日本の政治状況で、これまで野党が共産党抜きということが通例となってきた背景には、”共産党が破壊活動防止法の調査対象団体”であることも大きく影響しています。
まとめ
①日本共産党は1922年7月15日の創立以来、一度も党名が変更されたことがありません。
②日本共産党の政治勢力は、国政で30人、地方議会で約2700人でその約4割弱が女性議員となっています。
③日本共産党は安倍政権の政策にはほぼすべて反対という立場です。カジノやTPPにも反対しています。
④これまで一度も政党交付金を受領したことがない唯一の政党ですが、政党の収入額では自民党についで多くなっています。
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