共産党とは?その歴史・政治志向等をわかりやすく説明します。

政治用語の違い

共産党は、1991年にソ連が崩壊するまで、日本を含むフランス、イタリア、スペイン等の西側諸国で、国会でも一定の議席を保持しており、現在よりはるかに世界政治に影響力がありました。

共産党の特長は、どの国でも党名が共産党であることです。
※一部の例外 北朝鮮:朝鮮労働党

例えば、自由民主党という党名は日本独自のもので、イギリス自由民主党、ドイツ自由民主党という政党は存在しません。

1980年代までは、ソ連共産党を本山として、その衛星国であった、ポーランド、東ドイツ、ブルガリアの他
フランス共産党、イタリア共産党、スペイン共産党が有力な共産党として存在していました。

ちなみにアメリカにもアメリカ共産党という政党が存在しますが、一度も議席を獲得したことはありません。

現在は、中国共産党、ベトナム共産党、キューバ共産党そして日本共産党が世界における主な共産党となっています。

今は消滅したソ連共産党を含めて、共産党と名の付く政党は、基本的に共産主義社会の実現を目的としていることが特長です。



共産党とは?

共産党とは、共産主義社会の実現を目指すことを目的とした政党です。

この点で、現在の資本主義社会を維持することを前提とした、アメリカの民主党・共和党、イギリス保守党・労働党、日本の自由民主党、立憲民主党等の欧米型民主主義を基盤とする政党とは根本的にその性格が異なります。

共産主義の理論をうちたてた、ドイツの哲学者カール・マルクスは、人類社会は、資本主義社会→社会主義社会→共産主義社会に必然的に移行すると説きました。

マルクスの歴史観・理論を実践し、世界初の社会主義国家を実現したのがロシア革命の指導者レーニンです。

日本共産党を含め、世界中の共産党は、このカール・マルクスの歴史観や実際に社会主義国家を誕生させたレーニンの実践方法を基礎にして、日々の政治活動を行っています。

共産主義に関わる理論や実践方法は、ひところはマルクス・レーニン主義とよばれていましたが、日本共産党では、科学的社会主義という表現に変更、現在に至っています。

共産主義社会の実現を目指すためには、革命が必要となることから、特に日本では革命政党という位置づけがなされています。

要するに共産党とは、マルクス・レーニン主義による歴史観・政治手法に基づいて政治活動(中国・ベトナム・キューバ・は国家運営)を行う政党ということになります。

かつて存在したソビエト連邦の国歌でもその歌詞で共産主義への勝利を導くという表現がみられ、レーニンの党(ソ連共産党)が共産主義社会の実現を目指していたことが窺えます。

世界の共産党が目指している社会は、いずれも共産主義社会ですが、日本共産党の綱領(国家における憲法のような存在)では
その社会について、以下のように説明しています。

日本共産党が目指している社会とは

社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき、原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望が開かれる。

つまり、共産主義社会では、国家権力が消滅して、何の搾取も抑圧も戦争もない共同社会がほぼ実現するとしています。

しかし、過去から現在に至るまで、共産主義社会が実現した国はソ連はもちろん、現在の中国も含め一つもありません。



中国にみる現代の共産主義国家の事例

・政治体制
中国共産党による一党独裁体制
日本の総選挙に相当する選挙制度はなく、また野党も存在しません。

・経済体制
株式取引所を運営していて、多数の民間企業がありますので外見上は、アメリカや日本の資本主義社会と変わらないように
見えます。

しかし、民間企業の多くは元々国有企業であり、民営化後も社長が中国共産党員である場合が大半です。

また、突如として、中国共産党の指導・監督によって、上場を禁止にしたり、業務内容の変更や廃止を命じる等、実態は、国家資本主義ともいえる体制となっています。

・言論の自由について
政府・中国共産党に対する批判をすると逮捕される等、言論の自由は、ないに等しいです。

中国最大の部数を誇る新聞、人民日報は、中国共産党の機関紙で、日本の朝日・毎日・読売等の新聞とは基本的に異なります。

新聞・テレビすべて、中国共産党の息のかかった報道機関というより宣伝機関のため、政府や党の批判をすることはありません。

旧ソビエト連邦でも言論の自由は認められず、プラウダというソ連共産党機関紙が今の中国の人民日報のような役割を担っていました。
・綱領
中国共産党は中国労働者階級の前衛部隊であると同時に、中国人民と中華民族の前衛部隊であり、中国の特色のある社会主義事業を指導する中核であり、中国の先進的生産力の発展の要請を代表し、中国の先進的文化の前進する方向を代表し、中国の最も広範な人民の根本的利益を代表する。

党の最高の理想と最終の目標は共産主義を実現することである。

中国共産党はマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、「三つの代表」の重要な思想および科学的発展観をみずからの行動の指針とする。

マルクス・レーニン主義は、人類社会の歴史の発展法則を明らかにし、その基本原理は正しいものであり、強大な生命力がある。
中国の共産主義者が追求している共産主義の最高の理想は、社会主義社会が十分に発展をとげ、高度に発達した基礎のうえではじめて実現されるものである。

社会主義制度の発展と充実は長期にわたる歴史的過程である。

マルクス・レーニン主義の基本原理を堅持し、中国人民が自由意思で選択した中国の国情に適した道を歩めば、中国の社会主義事業は必ずや最終的勝利を勝ち取るにちがいない。

上記のように中国共産党は、現代においても”党の最高の理想と最終の目標は共産主義を実現することである。”としています。

ただ、世界の大半は、共産主義思想及び共産主義社会については、民主主義に反し、実現不可能な社会という冷ややかな見方をしています。




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