共産党の党首選挙の仕組みとは?選挙に負けても委員長が不死身?の理由とは

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現在の共産党の党首は志位和夫委員長です。
志位和夫委員長は、2000年に就任してから、その地位にとどまっています。

2000年から2019年の間に衆議院選挙や参議院選挙が何度も行われ、共産党が大きく議席を減らしたことがありましたが、志位委員長は、選挙敗北の責任を問われることなく長期にわたり、共産党の党首であり続けています。

なぜ、選挙で負けても党首でいられるかというと疑問を感じる方も多いと思います。

選挙に負けても共産党の委員長が不死身?の理由は、共産党の党首を選ぶ仕組みにあります。




そこで、共産党の党首選挙の仕組みをわかりやすく説明します。

共産党の党首選挙の仕組みをわかりやすく解説

★党首を選出する中央委員会とは?

共産党の党首は、共産党の中央委員会という組織によって選出されます。

この中央委員会という組織は、大企業の役員会のような位置づけで、党の憲法ともいえる綱領で”対外的に党を代表し、全党を指導する”と規定されているほど権限が強いのです。
実際、中央委員会の決定事項は、全国に約30万人いるとされる共産党員は無条件で従わなくてはならないのです。

中央委員の人数は、100人程度。

共産党の党首を選ぶのは、約30万人のうち、ほんの一握りの数の中央委員によって選出されるのです。

この点で、全国の党員が党首を選出するための投票権を持つ、自民党や立憲民主党と根本的に異なります。

★選挙でなく選出するとは?

先に”共産党の党首は、共産党の中央委員会という組織によって選出されます。”と説明しましたが、厳密にいうと共産党の党首は”選出される”のであって”選挙で選ばれるわけではないのです。

他の党、例えば自民党の場合、党首に相当する総裁選挙があると、毎回、複数の候補者が出馬して、得票数を競うことになります。

共産党の場合は、基本的にその時点の党首に反旗を翻して、委員長選挙に名乗りをあげるということができないのです。

なぜかというと共産党の規約に”党内に派閥・分派はつくらない”と明記されているからです。

もし、”衆議院選挙の敗北は志位和夫委員長に責任がある。よって、交代を求める”と意見を明らかにした時点で、派閥・分派と看做され、党から処分を受ける対象になってしまいます。

自民党の安倍首相に反対の立場をとる石破議員は、党内外で異論や私見を表明していますが共産党内で志位委員長に同じようなことをしたら、最悪、除名処分になります。

以上から”共産党の党首を中央委員会を選出”という仕組みは、信任投票に近く、他の党における選挙とはいえないというのが実態です。



★中央委員が党首に異論を言いにくい?背景とは

共産党の中央委員は、全国の約30万人いるとされる党員の中から、選出されます。

どういう基準で選出されるのかは不明ですが、少なくとも現在の党の指導部から覚えがめでたくなければなれないと推測されます。

このことは、ちょうど大企業の役員になるためには、その時の社長の覚えがめでたくなければなれないのと同じです。

従って、中央委員になるような人は、そもそもその時点の党首から、ある意味お気に入りの存在であるので、衆議院選挙や参議院選挙で共産党が議席を大きく減らしても”選挙の敗北の責任をとって、委員長は辞任すべきだ”という声が、共産党の内部から、全く聞こえてこないのです。

志位和夫委員長は、2000年に就任してから、実に20年近くも党首でいられるのは、上記のような共産党特有の組織や規約・綱領のためです。
さらに共産党の規約では、党首の任期については何の規定もされていません。

ですので、事実上共産党の党首は終身制に近いものとなっているのです。
自民党の安倍総裁の3選どころではないのです。

共産党の党首は、現在は委員長ですが、過去には書記長や第一書記、議長という役職者が党のトップであったことがあります。

中でも宮本 顕治氏は、1958年から1997年まで実に半世紀近く党首の地位にありました。

日本共産党の歴代の党首一覧

・1945年~1953年
徳田 球一 書記長

・1955年~1958年
野坂 参三 第一書記

・1958年~1970年
宮本 顕治 書記長

・1970年~1997年
宮本 顕治 議長

・1982年~1987年
不破 哲三 委員長

・1987年~1989年
村上 弘  委員長

・1989年~2000年
不破 哲三 委員長

・2000年~現任
志位和夫  委員長

まとめ

①共産党の党首選挙の仕組みは、自民党等の他の政党とは異なり、”中央委員会という組織によって選出されます。”

選出は、選挙というより信任投票に近く、他の党における選挙とはその性質が全く異なります。

②共産党の党首が選挙敗北の責任を問われることなく、長期にその地位を維持できるのは、党の規約で”党内に派閥・分派はつくらない”と明記されているため、党首に対して異論を表明できないからです。

③共産党の規約で、党首の任期について規定されていないことが同一人物が長期に渡り、党首の地位を保持することの大きな原因となっています。



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