北朝鮮の正式名称と新聞やテレビが使わなくなった理由とは?

北朝鮮の正式名称とは?なぜ国名に民主主義がついているのか?

北朝鮮の正式名称は、漢字表記によると朝鮮民主主義人民共和国です。

ちなみに国名の民主主義、人民、共和という言葉は、欧米の政治用語を日本に導入しようとした福沢諭吉らが、その原語の概念を漢字で表現して創作された和製政治用語です。

北朝鮮の支配政党である朝鮮労働党の労働という言葉も和製政治用語由来です。

北朝鮮と同様の共産主義国である中国の正式名称は、中華人民共和国。

人類初の共産主義国であったソ連の正式名称は、ソビエト社会主義共和国連邦と国名に民主主義はついていません。

また中南米の共産主義国のキューバは、キューバ共和国でいずれも国名に民主主義はついていません。




一般に日本を含む先進諸国では、共産主義は民主主義とは全くの別物と捉えられていますので、共産主義国の国名に民主主義が使用されていることを奇異に思う人は少なくないようです。

ただ、北朝鮮当局は、自らの国家体制について”ウリナラ式(自分式)の民主主義”であると国内外に表明しています。

ですので、北朝鮮の正式名称は、朝鮮民主主義人民共和国となっているのです。

でも、現在、日本では新聞やテレビで朝鮮民主主義人民共和国という表記を見聞きすることはありません。

それには、以下のような背景があるのです。

北朝鮮の正式名称を新聞やテレビが使わなくなった理由とは?

日本の新聞やテレビは、一時期、北朝鮮に関するニュースを伝える際に、紙面では北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と表記、NHKのアナウンサーも最初に北朝鮮といった後に、正式名称である朝鮮民主主義人民共和国を必ず読み上げていました。

ただ、唯一、産経新聞だけは、一貫して単に北朝鮮と表記していました。

しかし、2002年に小泉首相が電撃的に北朝鮮を訪問。

金正日総書記が拉致問題を認め、被害者が日本に帰国したということがあった翌年あたりから、新聞は、朝日・読売・毎日・日経等の全国紙、テレビはNHKから民放のキー局をはじめ、全てのテレビで、それまで北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と表記していたものを一斉に北朝鮮と正式名称を省略するようになりました。

どの新聞社もテレビ局も例外なくということからみて、報道協定のような形で、正式名称を使わないと申し合わせ、単に北朝鮮と呼称するようになったものとみられています。

北朝鮮の正式名称を使わなくなった理由としては、”拉致のような犯罪行為を行う国は国として認められない”という判断があったためだと考えられています。

そういう点で、韓国の正式名称である大韓民国を省略して韓国というのが通例となっているのとは全く背景が異なります。

まとめ

①北朝鮮の正式名称は、朝鮮民主主義人民共和国で共産主義国の国名に民主主義が使用されているのは、北朝鮮当局が自らの国家体制について”ウリナラ式(自分式)の民主主義”であると考えているため

②北朝鮮の正式名称を新聞やテレビが使わなくなった理由は、”拉致のような犯罪行為を行う国は国として認められない”という判断があったためです。



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