将棋会館(東京)2024年に移転先の千駄ヶ谷センタービルに開設予定

将棋に関する情報

将棋界の聖地ともいわれる東京・千駄ヶ谷の将棋会館が2024年に現在地から、JR千駄ヶ谷駅近くの「千駄ヶ谷センタービル」へ移転することが明らかになりました。

2019年6月7日にプロ将棋棋士を束ねる公益社団法人日本将棋連盟が通常総会を開催。

”現在、鳩が森神社近くにある将棋会館を千駄ヶ谷駅近くにある建て替え予定の千駄ヶ谷センタービルに移転を前提とした協議を進める方針”を決議しました。



■移転先の千駄ヶ谷センタービルとは?

千駄ヶ谷センタービルは、千駄ヶ谷駅から将棋会館に行くときに横断歩道を渡ってスグ目の前にある茶色の地味な外観のビルです。

★千駄ヶ谷センタービルの概要(現状)

・所 在 地:渋谷区千駄ヶ谷 1 丁目 18 番 5 号

・交 通:JR 総武線「千駄ヶ谷」駅徒歩 2 分

・敷地面積:4,527.13 ㎡

・延床面積:11,351.90 ㎡

・規 模:地上 6 階/地下 1 階

・構 造:鉄筋コンクリート造

・築 年:1974 年 10 月(築 45 年)

ただ、千駄ヶ谷センタービルは築45年で、建て替えが計画されており、将棋会館は、建て替えが完了する2024年にテナントとして移転、入居することになります。

今回の移転決定で、将棋界のランドマークともいうべき千駄ヶ谷エリアからは離れないものの、駅前の津田塾大学千駄ヶ谷キャンパスに隣接するオフィスビルにテナントという形で移転するということに関して、”将棋界の総本山がビルのテナントでは相応しくないのでは?”という疑問の声も出ています。



■なぜ将棋会館が移転するのか?その理由について

①建物の老朽化
現在の将棋会館は、1976年に経済界をはじめとした各界からの寄付金などをもとに新築・新将棋会館として開設されました。

当時の将棋連盟会長だった故大山康晴永世名人自らが、企業や団体を回り、寄付金集めに奮闘したことは、現在も広く知られています。

開設以来、今年で築43年となり建物の老朽化も激しく、建て替えもしくは移転が必要な時期にきていました。

今回、現在地での建て替えではなく、移転となったのは法律上の問題からです。

②法律上の問題
仮に現在地で建て替えとした場合、法律上、現在の建物より大きな建物を建築することができないことが判明したため、現在地を売却することで移転に関わる資金を確保。

その上で移転するという決断に至ったようです。

経験からですが千駄ヶ谷駅から現在の将棋会館は、徒歩10分ほど。

千駄ヶ谷駅界隈を歩く途中、日によってはプロ棋士とそれ違いながら、ほど良い距離を歩いて到着する
ということが駅前に移転することで体験できなくなるのは、一抹の寂しさを感じます。



■日本将棋連盟とヒューリックの関係が今回の移転に大きな影響か?

ヒューリックは、みずほ銀行系の駅近くのオフィスビルに強みを持つ、東証1部上場の大手不動産会社です。

ヒューリックの社長が趣味が将棋ということもあり、同社が力を入れている社会貢献の一貫として、”日本将棋連盟への支援”を掲げています。

具体的には、2018年4月から「棋聖戦」(主催=日本将棋連盟・産経新聞社)への特別協賛を開始。

また、2017年7~8月に行われた「文部科学大臣杯第13回小・中学校将棋団体戦」や2017年9月に行われた「棋士会岩手将棋フェスティバル(東日本大震災復興応援イベント)」への協賛。

そして、2019年から女流棋士のタイトル戦第1期ヒューリック杯清麗戦の創設に関わる等、日本将棋連盟とヒューリックは単なるスポンサー以上の親密な関係を築いています。

今回の将棋会館のヒューリックが運営するオフィスビル移転決定の背景には、両者の親密な関係が大きな影響を与えたことは間違いないと思います。

でなければ、紛糾することが多い日本将棋連盟通常総会で特に異論もなくすんなり決議されるはずがありません。

ただ、長年の将棋ファンとしては、ファンの意向にも配慮が欲しかったというのが正直なところです。

個人的には、将棋界の総本山がオフィスビルのテナントでは、どうも違和感を覚えます。

■まとめ

①将棋会館(東京)が2024年を目処にJR千駄ヶ谷駅前のヒューリック・千駄ヶ谷センタービルへ移転することが確定

②日本将棋連盟は、将棋会館を現在地で建て替え・新築することは、法律上の問題から困難と判断したことで駅前のビルに移転という結論に至りました



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