韓国大統領が悲惨な末路を迎える理由と名前の読み方一覧

韓国大統領は、現在の文大統領で19代目となりますが、19人目の大統領ではありません。
というのは、1988年に憲法が改正され、大統領の任期が1期5年と区切られるまで、韓国では事実上、軍事政権が続いていて、任期に制限がなかったからです。

そのため、第5代から第9代までは、朴正煕大統領が就任、1979年に暗殺されるまで実に16年も大統領の任にありました。

ですので、韓国大統領の悲惨な末路については、1988年までの軍事政権時代とそれ以降のいわゆる民選大統領時代にわけて、当時の政治状況を踏まえわかりやすく説明します。


軍事政権時代の韓国大統領の末路一覧

軍事政権時代の韓国大統領は、基本的にアメリカの支持か韓国軍部の支持がない限り、政権を維持できない時代といえます。

李承晩(イ・スンマン)初代~3代大統領

李承晩大統領は、この世代の韓国人としては珍しくアメリカの大学を卒業しており、またクリスチャンであったこともあり、アメリカの後押しで、国民による直接投票ではなく、議会の承認を得て初代韓国大統領に就任しました。

しかし、終身大統領を希望するなど権力に執着。

4選を狙った1960年の大統領選で本来、中立であるべき公務員の選挙運動団体を組織し、警察にそれを監視させるなどの不正工作・不正投票などが横行しました。

その結果、李承晩が当選したことで、韓国全土に抗議運動が拡大、1961年4月19日にソウルで後に4.19革命と呼ばれる大規模なデモが行われ、警察と衝突、186人もの死者を出す惨事となりました。

この事件をきっかけに後ろ盾だったアメリカの支持を失ったことで、失脚。、

翌5月29日早朝に米国人の妻とともに、金浦空港からアメリカ・ハワイに亡命。
その5年後にハワイで亡くなりました。

このように李承晩大統領が悲惨な末路を迎えたのは、最近の大統領の不正資金等の汚職とは異なり、その異常なまでの大統領職への執着にありました。

尹譜善(ユン・ボソン)第4代大統領

1960年、李承晩大統領失脚後、国会議員による間接選挙で第4代大統領に就任。

しかし、首相をはじめとした閣僚との対立から政権は終始、不安定。
1961年、朴正熙ら韓国軍幹部によるクーデターにより失脚。

63年には民政党から大統領選に出馬しましたが、軍部に基盤のある朴正熙氏に敗退。

この頃から、韓国の大統領職は軍部による事実上の軍事政権となっていきます。


朴正煕(パク・チョンヒ)第5~9代大統領

朴正煕大統領は、軍部によるクーデターにより権力を奪取、大統領に就任しました。

朴正煕は、高木正夫の日本名で日本の陸軍士官学校を優秀な成績で卒業しています。

朴大統領は、長年の懸案だった日韓基本条約の締結を機に、日本から大規模な経済援助を得ることで高度経済成長を実現したことで保守層に未だに根強い支持があります。

ちなみに娘である朴槿恵が大統領になれたのも保守層を中心に”あの朴大統領の娘なら”ということで支持する基盤があったからとされています。

否定的な側面としては、大統領選で有力な対立候補であった金大中氏(後の大統領)を東京のホテル滞在中に拉致、韓国まで連行した金大中事件を指示したとされています。

この金大中事件は、韓国の首相が特使として謝罪したことで政治決着とされましたが、日本国内で起きた韓国関連の最大級の事件として、未だに多くの日本人に記憶されています。
1974年には、演説中に在日朝鮮人の文世光から銃撃を受け、自身は助かったものの近くにいた陸英修夫人に流れ弾があたり死亡するという悲劇に見舞われました。

その後、1979年に朴大統領自身も、側近の大韓民国中央情報部(KCIA)幹部の金載圭に、拳銃で射殺されるという歴代大統領の中でも最も悲惨な末路をたどりました。

崔圭夏(チェ・ギュハ)第10代大統領

1979年に朴大統領が暗殺された時に、首相だったため、緊急避難的に大統領権限代行を経て大統領に就任。

しかし、元々外交官であったため、軍部の支持基盤が弱く、結局、就任して1年ほどで
軍部によるクーデターによって、事実上、失脚。

失脚後、大統領職を辞任しても逮捕されることもありませんでした。
そのため、歴代の韓国大統領で唯一、悲惨な末路を迎えないで済んだといわれています。

全斗煥(チョン・ドゥファン)第11~12代大統領

1980年5月、朴大統領の死去を機に始まった民主化運動「ソウルの春」に影響をうけた全斗煥によるクーデターに抗議する光州事件を多数の犠牲者をだしながら鎮圧したことで、政権を掌握。

朴大統領に見習って、経済発展に注力する一方、民主化運動には弾圧で応じました。

大統領退任後、軍部同期の盧泰愚が後を継いだものの、不正蓄財と人権弾圧を糾弾され、たことで謝罪、寺でも隠遁生活に入りました。

当時、あの権勢を奮った大統領が落ちぶれた寺で隠遁生活にはいると日本でも大々的に報道されました。

この頃から、日本人の中で韓国大統領の悲惨な末路が認識されてきたといえます。

その後、金泳三(キム・ヨンサム)第14代大統領のときに、光州事件の責任を追及され、大法院(最高裁判所に相当)で無期懲役の判決をうけるものの、後に特別赦免となり釈放されました。

以上のように軍事政権時代の韓国大統領は、権力欲に溺れて自滅したか、軍部によるクーデターによる失脚というケースが大半を占めます。

その点で、近年、悲惨な末路の原因が賄賂や不正資金等カネにまつわる不正行為が大半を占めることと対照的です。



民選時代の大統領時代になり、政権の上限が最大で5年と区切られたことで大統領の不正が親族を中心としたカネに関わる不正行為が目立つようになってきました。

民選時代の大統領の末路一覧

盧泰愚(ノ・テウ)第13代大統領

憲法が改正され、国民の直接選挙によって初めて選出された大統領。

元々軍人でしたが、就任時は背広姿で登場、それまでの軍事政権とは違うことをアピールしました。

しかし、退任後、在任中の自身の収賄を追及され、後継の民主化政権の
金泳三(キム・ヨンサム)第14代大統領時代の1995年に逮捕。

また、妻のいとこが収賄で逮捕されています。

1997年には収賄罪で懲役17年の判決をうけるものの、後に特別赦免となり釈放されました。

金泳三(キム・ヨンサム)第14代大統領

金泳三は、民選時代初めての野党出身の大統領でしたが、やはり一族から不正行為が出ています。

次男が収賄と脱税の容疑で逮捕。
また、いとこの夫が収賄で逮捕されています。

金大中(キム・デジュン)第15代大統領

清廉潔白な政治家とされた金大中は、自身には不正はありませんでした。

しかし、長男、次男、三男を含む親族5人が不正資金容疑で逮捕されました。

また、金大中自身にも当時の北朝鮮金正日総書記との首脳会談を成果にノーベル平和賞を受賞するために裏金を使ったのではないかという噂が流れたことがあります。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)第16代大統領

盧武鉉は、人権派の弁護士出身の大統領でしたが、大統領在任中の2008年に実兄が斡旋収賄の罪で逮捕。

2009年には親族が収賄容疑で事情聴取。

また、大統領自身も在任中に弾劾訴追を受けました。

追い込まれた盧武鉉は、2009年に飛び降り自殺と最悪な結果を招きました。

李明博(イ・ミョンパク)第17代大統領

大統領在任中の2008年に、ある企業への工事許可を巡り、日本円にして約6億円が実兄に渡されたことで斡旋収賄で逮捕。

2011年には夫人のいとこが斡旋収賄で逮捕されています。
李明博自身も2018年い収賄容疑で逮捕され、その後、実刑判決を受けています。。


朴槿恵(パク・クネ)第18代大統領

朴槿恵は、長年の親友である民間人に過ぎない崔順実という人物に国家機密を漏洩させたり、韓国きっての名門梨花女子大の裏口入学疑惑、日本円にして約70億円にのぼる不正資金疑惑等で弾劾されました。

その後、大統領としての職務停止後、韓国の大統領としてはじめて罷免されました。

大統領退任後には、同疑惑にからみ18件の容疑で起訴されました。

2018年2月27日の公判で検察側は懲役30年、罰金1185億ウォンを求刑。

ソウル中央地方裁判所は2018年4月6日に懲役24年、罰金180億ウォンの有罪判決を言い渡しました。

朴槿恵前大統領は、現在も獄中生活にあります。

上記のように韓国大統領が悲惨な末路を迎える大きな要因として、権力が強すぎる大統領制にその要因を求める人も少なくありません。

そこで、韓国の大統領の権限と不正・賄賂を生みやすい状況をわかりやすく説明します。

韓国の大統領の権限と不正・賄賂を生みやすい状況とは?

韓国の大統領の権限が強力とされるのは、韓国が独立してまもなく朝鮮戦争が勃発、現在に至るまで法的には北朝鮮と戦争状態にあるからです。

いつ戦争になるのかわからないので、有事に大統領だけで重要な事項を即断できるようにするために強力な権限を付与しているのです。

韓国の大統領の主な権限は以下の7つです。

①国家元首と行政府の首班を兼ねる

②国軍の統帥権を保持

③条約の締結や批准を行う権限

④宣戦布告を行う権限

⑤憲法改正提案権

⑥戒厳令を布告する権限

⑦政府や軍、政府系企業など約1万人の幹部級人事に対する人事権

上記の①から⑥までについては、大統領制の他の国とさほど、その権限に差があるわけではありません。

制度面からは、韓国の大統領制は大統領の他に行政府の長である首相がいるという点で半大統領制ということができます。

しかし、韓国では、同じ半大統領制のフランスのように大統領が外交をメイン、首相が内政をメインというような住み分けができているとは言い難く、首相がプーチン大統領の操り人形的存在にすぎないロシアの政治状況に似た状況となっています。

問題は⑦の人事権です。

現在の文大統領は、日本の最高裁判所長官に相当する大法院長に自らの政治的立場に近い代表的な革新系法律家の金命洙(キム・ミョンス)氏を指名しました。

最近、次々と”日本統治時代に朝鮮半島から動員された徴用工についての判決”について国際法を無視した、文政権寄りの判決が出ているのは、このためです。

もし、日本で安倍首相と親しい人物が最高裁判所長官に指名されたら政治的な大問題となること必至です。

このように大統領が強力な人事権を握っているとなると、自分も良い思いをしたいということで、様々な人物が近寄ったり、あるいは日本で流行語になったように周囲が忖度することで不正が横行しやすくなるという状況が大統領が変わるごとに作り出されています。
このような状況が、歴代韓国大統領の不正・賄賂の温床となっているのです。



韓国大統領が悲惨な末路を迎える要因には、上記の韓国の大統領制度だけではなく、韓国社会特有の地縁・血縁重視社会等、風土的なことにも原因があります。

具体的には下記の3つの要因があげられます。

韓国大統領が悲惨な末路を迎える3つの要因とは

地縁が不正や賄賂を生む温床に

韓国は京畿道,江原道,忠清道,慶尚道,全羅道の 5 地域から構成されています。

韓国において,歴史的に慶尚道出身者が優遇され全羅道出身者は冷遇され続けてきましたが、金大中大統領が全羅道出身者として、初めて大統領に就任。

金大中大統領が就任すると,全羅道は、これまでの冷遇から一転、政府の振興資金による優遇措置が回ってくる状況になった。というように韓国では、日本人が考えている以上に地域間対立が激しいのです。

実際,韓国の大統領の権限は強大で,各省庁や地方公共団体の長の任免権を大統領
が握っています。

そのため,大統領と同じ地域の出身者である場合は優遇されるのが通例です。

例えば、日本で財務省トップの事務次官が首相と同じ県の出身者を優遇したら大問題になりますが、韓国では、当たり前のように行われているのです。

同じ大統領制のアメリカでも大統領が変わると中央省庁の高官は交代しますが、大統領の出身者を優遇するということはありません。

その点で韓国における地縁重視というのは、異例ともいえる慣習です。

そのため、今まで冷や飯を食わされ続けてきたという思いの反動で、”おらが大統領でよい思いをしたい、利益を享受したい”という欲望にぎらついた人物が多数アプローチしやすい状況が形成され、それが不正や賄賂を生む温床となっているのです。

血縁にこだわる韓国の風土

韓国は法治国家ならぬ情治国家と揶揄されるくらい、血縁関係が重視されます。
ですので一族意識は、日本では想像つかないほど、強いのです。

こうした背景から、一族で大統領になるような人物が出ると、”国で一番偉くなったのだから血族である自分たちにも分け前を”となりがちで、それが賄賂等の不正につながるという構造ができやすいのです。

また、韓国社会では肩書きより、時の大統領に近いかどうかがモノをいう風潮が強いこともあり、血縁の威光は日本人が想像つかないほど強いのです。

実際、歴代の韓国大統領の中で清廉潔白な政治家と看做されていた金大中大統領でさえ、息子を含む親族5人が不正資金で逮捕されています。

また、人権派の弁護士出身のノ・ムヒョン大統領も実兄が収賄で逮捕と、韓国政治で比較的、不正を働かないのではと思われるような大統領でさえ、不正が頻発しています。

保守派では、朴槿恵(パク・クネ)大統領が記憶に新しいところですが、やはり保守派の李明博(イ・ミョンパク)大統領の時には実兄が収賄で逮捕されています。

このように血縁にこだわる韓国の風土が保守も革新も変わりがないことが、歴代の大統領が悲惨な末路を迎える大きな要因となっています。

保守と革新の対立が大統領選をある種の革命に

韓国における政治は、保守と革新のあいだの激しい対立が最大の特長です。
韓国における保守・革新の定義は下記の通りです。

・革新系
70~80年代の民主化運動家、親北朝鮮、分配主義、反米。

・保守系
60年代の朴正煕大統領など高度成長を追求する既存の政治勢力。反北朝鮮、親米、成長主義、親企業政策。

以上のように保守と革新とで北朝鮮やアメリカといった国家の基本的な政策である安全保障に関わる重大な事項についても、正反対の立場をとっています。

日本の与党と野党で、国家の基本に関わるような政策についてそれほど対立が認められないのとは大違いです。

従って、革新系の大統領から保守系の大統領への政権交代、逆に保守系から革新系への政権交代が起こると、まるで革命が起きたのごとく、新たに政権を握った勢力はそれ以前の秩序の全てを破壊する行動にでやすくなります。

現在の文大統領は、朴大統領の不正疑惑に抗議する”ロウソク革命”が生み出したといわれるように韓国における大統領選は、選挙を起点とした革命ともいえるのです。

政権交代による革命の過程で、前大統領の不正を暴くことが”前政権を否定することによる新政権の正当性の確立”と同時に”考えの違う政権に冷や飯を食わされた勢力による報復”と位置づけれることが”前大統領が悲惨な末路”を迎えやすい状況をつくりだしているのです。


文在寅(ムン・ジェイン)大統領もいずれ悲惨な末路か?その運命を予測

文在寅は、盧武鉉大統領時代に秘書室長をつとめ、その悲惨な末路を直に目撃してきました。
さらに、前任の朴大統領が史上初となる罷免によって失脚したことで自分が大統領に就任できたという経緯から、不正の怖さは十分認識しているはずです。

ただ、これまでの経緯をみていると大統領本人が不正を働かなくても、親族が収賄等の不正に手を染める可能性は十分にあります。

これまで、清廉潔白といわれた金大中氏も結局、親族の不正で次々と逮捕されました。

文在寅は、人権派弁護士出身として、悪に手をそめないのではないかと見られていますが油断はならないでしょう。

特に後継大統領が政治的に対立する保守派となった場合、報復を意図した不正摘発がされる可能性が高いと思います。

まとめ

①韓国の大統領の悲惨な末路は、1988年までの軍事政権時代と88年以降の民選時代では、その様相が異なります。

②1988年までの軍事政権時代の韓国大統領が悲惨な末路に至った要因は、権力欲に溺れて自滅したか、軍部によるクーデターによる失脚というケースが大半を占めます。

③1988年以降の民選時代の大統領時代になると、任期が5年と区切られたことで大統領が悲惨な末路に至る要因が親族を中心としたカネに関わる不正行為によるものが目立つようになってきました。

④韓国において大統領が悲惨な末路に陥る背景としては、地縁・血縁にこだわる風土に加え、保守と革新の激しすぎる対立があります。

現在の文在寅大統領も2018年以降、その経済政策について批判を浴び、支持率が急速に低下しています。
韓国の政治風土が変わらない限り、文大統領も悲惨な末路を迎える可能性が高いでしょう。



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