さいたま市緑区美園に建設が計画されている順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)は、当初の2021年4月開設予定が
①埼玉県と順天堂との土地の無償貸与・交通アクセスを含めた整備計画に関する意見の不一致
②コロナウイルス対応
等により大幅に遅れ、いまだに着工のめどもつかない状況が続いています。
しかし、2021年12月に順天堂新病院担当者が清水さいたま市長に面会、順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)に関する計画変更書を埼玉県に提出すると報じられたことで、計画から着工・開院への道筋が開けたようです。
順天堂大学は2021年末に埼玉県庁にさいたま市における附属病院建設計画について、修正案となる、新病院の整備計画を提出しました。
それによると2026(令和8)年4月着工、2029年4月に400床を整備。
2030年3月までに開院する計画。
順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)を巡るこれまでの経緯
新病院計画を巡る主な動き
そもそも浦和美園における順天堂大学新病院計画は、2015年1月に埼玉県内の医師不足解消などを目的とした県の総合病院誘致計画に公募に順天堂が応じたことが起点となっています。
同年3月に順天堂は、さいたま市緑区美園に”約800病床の新病院を18年3月に着工、2021年4月に開設する”という内容の整備計画書を提出しました。
しかし、順天堂が病院新設に合わせ埼玉高速鉄道の新駅の設置を求める等の要求をしたため、当初の計画が頓挫、現在に至っています。
2018年埼玉県医療審議会における新井順天堂学長の新病院に関する質疑応答
2018年12月12日に開催された埼玉県医療審議会において、新井順天堂学長の新病院に関する質疑応答は以下の通りです。
①スケジュールについて
これだけの病院なので、基本設計に1年、着工して2年程度かかる。
②基本設計について
基本設計はまだである
順天堂大学医学部付属埼玉国際先進医療センター(仮称)の建設予定地は、埼玉高速鉄道の浦和美園駅から北へ約1キロ離れた場所のため、順天堂は開院までに新駅の設置を要望しています。
病院に電車でしか来られない患者が一定数見込まれるうえ、同時に大学院医学研究科(さいたまキャンパス)の設置も予定している以上、最寄り駅が1キロ離れていることは、順天堂側としては大きな課題と捉えているようです。
ただ、新駅の設置は病院側の都合だけで簡単にできることではありませんので、計画から着工・開院に移行するためには、このあたりの条件についてお互いの譲歩が必要になりそうです。
現行の計画における順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター(仮称)の施設概要は以下の通りです。
順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター(仮称)
・施設名称
順天堂大学医学部附属埼玉国際先進医療センター(仮称)
・所在地(予定)
さいたま市緑区美園三丁目2番1~16 他
・着工
2026年4月
・開設予定
2030年
・病床数
約800床
・診療科目:合計28科
総合診療科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、腎・高血圧内科、膠原病・リ
ウマチ内科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、メンタルクリニック、脳神経内科、
小児科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、乳腺科、小児外科、脳神経外科、整形
外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、産婦人科、放射線科、救
急科、麻酔科・ペインクリニック、リハビリテーション科、その他
・最寄り駅・アクセス
東京メトロ南北線直通埼玉高速鉄道線 浦和美園駅から徒歩約10分
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