ソビエト連邦から独立した国一覧(新旧国名併記)と現在の状況

政治用語の違い

ソビエト連邦は、社会主義計画経済の行き詰まりにより経済が深刻な事態となり、いうなれば”左前の国家”
”経済がシンドイ状況”となったため1991年に崩壊しました。

ソ連は以下の15の共和国から構成されていましたが、ソ連邦崩壊以降、次々と独立しました。
ソビエト連邦を構成していた共和国一覧と現在の国名は以下の通りです。



ソビエト連邦を構成していた共和国一覧と現在の国名

※ちなみにタジキスタン、トルクメニスタンのように国名にスタンとつく国が多いですが
スタンは英語のステート(国家)と同じ意味です。

ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国(現:ロシア) 1

ウクライナ・ソビエト社会主義共和国(現:ウクライナ)

ウズベク・ソビエト社会主義共和国 (現:ウズベキスタン)

カザフ・ソビエト社会主義共和国 (現:カザフスタン)

白ロシア・ソビエト社会主義共和国(現:ベラルーシ)

アゼルバイジャン・ソビエト社会主義共和国(現:アゼルバイジャン)

グルジア・ソビエト社会主義共和国(現:ジョージア)

タジク・ソビエト社会主義共和国 (現:タジキスタン)

モルダビア・ソビエト社会主義共和国 (現:モルドバ)

キルギス・ソビエト社会主義共和国(現:キルギス)

リトアニア・ソビエト社会主義共和国(現:リトアニア)

トルクメン・ソビエト社会主義共和国(現:トルクメニスタン)

アルメニア・ソビエト社会主義共和国(現:アルメニア)

ラトビア・ソビエト社会主義共和国(現:ラトビア)

エストニア・ソビエト社会主義共和国(現:エストニア)





それでは、ここからソ連から独立した国一覧と現在の状況を国ごとに紹介していきます。

ソ連から独立した国一覧と現在の状況

 

アゼルバイジャン

1.面積 8万6600平方キロメートル
2.人口 1020万人
3.首都 バクー
4.民族 アゼルバイジャン系(91.6%)、レズギン系(2.0%)、ロシア系(1.3%)、アルメニア系(1.3%)、タリシュ系(0.3%)
5.言語 公用語はアゼルバイジャン語(テュルク諸語に属し、トルコ語やトルクメン語に近い)
6.宗教 主としてイスラム系シーア派
7.政体 共和制
8.元首 イルハム・アリエフ大統領
9.議会 一院制(任期5年、定数125)
10.政府 首相 アリ・アサドフ 外相 ジェイフン・バイラモフ

・コメント
アゼルバイジャンはバクー油田など世界最大級の油田を所有しており、
そこから得られた莫大な利益を元手に急速な発展を遂げている国です。

その発展を象徴するのが、現在も多く行われている大規模な建物の建設で、
ドバイと肩を並べられるほどだといわれています。

世界で唯一日本人だけがアゼルバイジャンのビザの取得が無料となっており、
親日国の1つといえる存在です。

  

アルメニア

1.面積 2万9800平方キロメートル
2.人口 300万人
3.首都 エレバン
4.民族 アルメニア系(98.1%)、ヤズィディ系(1.1%)、ロシア系(0.3%)、アッシリア系(0.1%)、クルド系(0.1%)
5.言語 公用語はアルメニア語(インド・ヨーロッパ語族に属し、独立の一語派をなす。独自の文字を持つ。)
6.宗教 主としてキリスト教(東方諸教会系のアルメニア教会)。アルメニアは、国家として、また民族としても、世界で最初に公式にキリスト教を受容した国(301年)。
7.政体 共和制
8.元首 アルメン・サルキシャン大統領
9.議会 一院制(任期5年。最低総議席数101。前回選挙は2018年12月に行われ、132人を選出)
10.政府 首相 ニコル・パシニャン 外相 アラ・アイヴァズィヤン

・コメント
アルメニアは、農業・工業・宝飾品工業が盛んな国で、規模はそれほど大きくないものの、
金や銀、銅などが産出されています。
日本人はアルメニアにはビザなしで180日間滞在することができます。

  

ウクライナ

1.面積 60万3700平方キロメートル
2.人口 4205万人(クリミアを除く)
3.首都 キエフ
4.民族 ウクライナ人(77.8%)、ロシア人(17.3%)、ベラルーシ人(0.6%)、モルドバ人、クリミア・タタール人、ユダヤ人等
5.言語 ウクライナ語(国家語)、その他ロシア語等
6.宗教 ウクライナ正教及び東方カトリック教。その他、ローマ・カトリック教、イスラム教、ユダヤ教等
7.政体 共和制
8.元首 ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領
9.議会 ・ウクライナ最高会議(定数450名、任期5年) ・議長 ドミトロ・ラズムコフ ・国民奉仕者党による単独与党
10.政府 首相 デニス・シュミハリ 外相 ドミトロ・クレーバ

・コメント
ウクライナと言えば、日本人は美女が多い国という印象を持っている人が多いかもしれませんが、
経済的にはそれほど裕福な国とは言えません。

資源やエネルギーなどに関してもロシアに依存しています。
ウクライナ人は、親日的です。

「ウクライナの美女に会いたい!」という男性は、ぜひ一度足を運んでみるといいでしょう。




  

ウズベキスタン

1.面積 44万7400平方キロメートル
2.人口 3350万人
3.首都 タシケント
4.民族 ウズベク系、タジク系、カザフ系、カラカルパク系、ロシア系
5.言語 国家語はウズベク語(テュルク諸語に属する。ただし、タシケント、サマルカンド、ブハラ等主として都市の諸方言はペルシア語の影響を強く受けている)。
またロシア語も広く使用されている。
6.宗教 主としてイスラム教スンニ派
7.政体 共和制
8.元首 シャフカット・ミルジョーエフ大統領
9.議会 二院制(任期5年、上院:「セナート」(定数100)、下院:「立法院」(定数150)、前回選挙は2019年12月)
10.政府 首相 アブドゥル・アリーポフ 外相 アブドゥラジズ・カミーロフ

・コメント
ウズベキスタンは観光国家で、シルクロードで栄えていた時の建築物が数多く残っており、
それらが観光スポットになっています。

また、ウズベキスタンは世界の中でも金などの金属資源が多く取れる国でもあり、
それらがウズベキスタン経済を支えています。

国民の大半がイスラム教徒ですが、戒律の厳しさはそこまでなく、
治安もいいため日本人にとっては行きやすい国といえます。

  

エストニア

1.面積 4.5万平方キロメートル
2.人口 約133万人
3.首都 タリン
4.言語 エストニア語(フィン・ウゴル語派)
5.宗教 国勢調査(2011年)によれば国民の半数以上が無宗教。ロシア正教、プロテスタント(ルター派)等。
6.政体 共和制
7.元首 ケルスティ・カリュライド大統領
8.議会 一院制(任期4年)、議席数101(比例代表制)
9.政府 首相 カヤ・カッラス(改革党) 外相 エヴァ=マリア・リーメッツ(中央党)

・コメント
エストニアは世界の中でも注目を集めているIT国家。
エストニアでは、エストニア国民でなくても仮想の住民になれる
「e-Residency」という住民権を発行しており、
世界中でエストニアの仮想住民が増えています。

また、観光産業も上昇傾向にあるため、
観光とITを基盤とした経済でエストニアは比較的安定した国と言えます。

 

カザフスタン

1.面積 272万4900平方キロメートル
2.人口 1900万人
3.首都 ヌルスルタン
4.民族 カザフ系(67.98%)、ロシア系(19.32%)、ウズベク系(3.21%)、ウクライナ系(1.47%)、ウイグル系(1.47%)、タタール系(1.10%)、ドイツ系(0.97%)、その他(4.5%)
5.言語 カザフ語が国語。(ロシア語は公用語)
6.宗教 イスラム教(70.2%)、ロシア正教(26.3%)、仏教(0.1%)、無宗教(2.8%)、無回答(0.5%)
7.政体 共和制
8.元首 カシム=ジョマルト・トカエフ大統領
9.議会 二院制(上院:セナート(定員49名、任期6年(15名が大統領による任命制、ほかは3年ごとに半数改選))、下院:マジリス(定員107名、任期5年))
10.政府 首相 アスカル・マミン 外相 ムフタル・トレウベルディ

・コメント
現在カザフスタンの首都ヌルスルタンでは都市開発が進められており、
今後の発展の足掛かりになると考えられています。

一方で、経済的には天然資源に依存していることもあり、原油の価格などに左右されやすいという弱点があります。




 

キルギス

1.面積 19万8500平方キロメートル
2.人口 650万人
3.首都 ビシュケク
4.民族 キルギス系(73.6%)、ウズベク系(14.8%)、ロシア系(5.3%)、ドゥンガン系(1.1%)、ウイグル系(0.9%)、タジク系(0.9%)、その他タタール系、ウクライナ系など
5.言語 キルギス語が国語。(ロシア語は公用語)
6.宗教 主としてイスラム教スンニ派
7.政体 共和制
8.元首 サディル・ジャバロフ大統領
9.議会 一院制(定数120)。2003年の憲法改正により二院制から一院制に移行。2007年10月の新憲法採択により定数を75から90に、2010年7月の新憲法では120に拡大。
10.政府 首相 ウルクベク・マリポフ 外相 ルスラン・カサクバエフ

・コメント
キルギスは日本ではあまりなじみのない国かもしれませんが、
実は顔立ちが日本と似ており、親日的な国であるといわれています。

また、金などの鉱物資源が多く取れる国でもあり、クムトール鉱山という金鉱山は世界屈指の鉱山です。
これら鉱業や農業、牧畜などがキルギスの経済を支えています。

  

ジョージア

1.面積 6万9700平方キロメートル
2.人口 400万人
3.首都 トビリシ
4.民族 ジョージア系(86.8%)、アゼルバイジャン系(6.2%)、アルメニア系(4.5%)、ロシア系(0.7%)、オセチア系(0.4%)
5.言語 公用語はジョージア語(コーカサス諸語に属する)
6.宗教 主としてキリスト教(ジョージア正教)
7.政体 共和制
8.元首 サロメ・ズラビシヴィリ大統領
9.政府 首相 イラクリ・ガリバシヴィリ 副首相兼外相 ダヴィト・ザルカリアニ

・コメント
ジョージアというと日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、
それもそのはずで実は2015年までは日本では「グルジア」と呼んでいました。

ジョージアは教会がたくさんある国として知られており、
山の上に建てられた教会である「ツミンダ・サメバ教会」が有名です。

また悪名高いソ連の独裁者スターリンの故郷として知られています。

 

タジキスタン

1.面積 14万3100平方キロメートル
2.人口 970万人
3.首都 ドゥシャンベ
4.民族 タジク系(84.3%)、ウズベク系(12.2%)、キルギス系(0.8%)、ロシア系(0.5%)、その他(2.2%)
5.言語 公用語はタジク語(イランのペルシア語やアフガニスタンのダリー語などとともにイラン語派の西方方言群に属する)。ロシア語も広く使われている。
6.宗教 イスラム教スンニ派が最も優勢。パミール地方にはシーア派の一派であるイスマーイール派の信者も多い。
7.政体 共和制
8.元首 エモマリ・ラフモン大統領
9.議会 二院制 上院:「国民議会」(任期5年、定数33+元大統領、前回上院選挙は2020年3月27日) 下院:「代表者会議」(任期5年、定数63、前回下院選挙は2020年3月1日)
10.政府 首相 コヒル・ラスルゾーダ 外相 シロジッディン・ムフリッディン

・コメント
タジキスタンは中央アジアの中では決して大きな国ではなく、貧しい国と言われています。
農村部では貨幣経済がそれほど浸透していないため、自給自足のような生活をして暮らしているといわれています。




  

トルクメニスタン

1.面積 48万8000平方キロメートル
2.人口 610万人
3.首都 アシガバット
4.民族 トルクメン系、ウズベク系、ロシア系、カザフ系など
5.言語 公用語はトルクメン語(テュルク諸語に属し、トルコ語やアゼルバイジャン語に近い)。ロシア語も広く通用。
6.宗教 主としてイスラム教スンニ派
7.政体 共和制
8.元首 グルバングルィ・ベルディムハメドフ大統領
9.議会 二院制 上院「人民評議会」:任期5年、定数56 下院「メジリス」:任期5年、定数125
10.政府 首相 (憲法上、閣僚会議議長(首相)は大統領が兼任する) 外相 ラシッド・メレドフ

・コメント
トルクメニスタンは世界の中でも数少ない超独裁国家と言われており、その分わからないことも多い国です。
首都のアシガバードの道路や建物は大統領の好み!!の白やシルバーで統一されています。

また、原油や天然ガスが豊富なため経済的には豊かでありますので、
日本人のイメージとしては、裕福な北朝鮮といった国でしょう。

 

ベラルーシ

1.面積 20万7600平方キロメートル
2.人口 約940万人
3.首都 ミンスク
4.民族 ベラルーシ人、ロシア人、ポーランド人、ウクライナ人
5.言語 公用語はベラルーシ語、ロシア語
6.宗教 ロシア正教、カトリック、その他、無宗教
7.政体 共和制
8.元首 アレクサンドル・ルカシェンコ大統領
9.議会 二院制 上院:共和国院(定数64名、各州およびミンスク市議会代表、大統領指名議員、任期4年) 下院:代表者院(定数110名、任期4年)
10.政府 首相 ラマン・ゴロフチェンコ 外相 ヴラジーミル・マケイ

・コメント
ベラルーシの国土はそれほど大きくないですが、緑が多く自然豊かな国です。
日本ではかつての国名の「白ロシア」とも呼ばれています。

近年では、ITなどのデジタル分野にも力を入れています。

アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、欧州最後の独裁者とされており、
言論の自由が制約を受けています。

東京オリンピックに参加していた女子陸上選手が政治的迫害を恐れて、東京で
亡命を申し出たことは記憶に新しいことです。

 

モルドバ

1.面積 3万3843平方キロメートル
2.人口 268.2万人
3.首都 キシニョフ
4.民族 モルドバ人、ウクライナ人、ロシア人、ガガウス人など
5.言語 公用語はモルドバ語。ロシア語も一般に通用。
6.キリスト教(正教)など
7.政体 共和制
8.元首 マイア・サンドゥ大統領
9.議会 一院制(定数101名、任期4年)
10.政府 首相 ナタリア・ガブリリツァ 外務 ニク・ポぺスク

・コメント
モルドバは隣国のルーマニアにとても似ている国で、標識などはルーマニア語で記されています。
モルドバは実はワインの名産地で、モルドバで作られたワインをヨーロッパの王室でも飲まれています。

そのほかにも農業が盛んで、小麦やトウモロコシ、タバコなどが主要産物として経済を支えています。




 

ラトビア

1.面積 6.5万平方キロメートル
2.人口 193万人
3.首都 リガ
4.言語 ラトビア語
5.宗教 プロテスタント(ルター派)、カトリック、ロシア正教
6.政体 共和制
7.元首 エギルス・レヴィッツ大統領
8.議会 一院制(議席数100、任期4年)
9.政府 首相 クリシュヤーニス・カリンシュ 外相 エドガルス・リンケービッチ

・コメント
ラトビアはバルト三国の1つで、公用語はラトビア語ですが、
ロシア語や英語、ドイツ語などを話せる人も多く、外国企業の進出のきっかけにもなっています。

また、ラトビアはそれほど主だった産業がなく、
近年では首都のリガで観光業が盛んになっています。

そのことが地域間の格差が開く要因にもなっており、
ラトビアが抱える課題の一つは経済であるといえます。

 

リトアニア

1.面積 6.5万平方キロメートル
2.人口 約279.0万人
3.首都 ビリニュス
4.言語 リトアニア語
5.宗教 主にカトリック
6.政体 共和制
7.元首 ギターナス・ナウセーダ大統領
8.議会 一院制(議席数141、任期4年)
9.政府 首相 イングリダ・シモニーテ 外相 ガブリエリウス・ランズベルギス

・コメント
リトアニアはバイオテクノロジーやレーザー産業が特に盛んで、今後はIT産業などが有望視されています。

近年では失業率も減少しており、経済的に安定した国とみなされています。

  

ロシア

1.面積 約1710万平方キロメートル
2.人口 1億4680万人
3.首都 モスクワ
4.公用語 ロシア語
5.宗教 ロシア正教、イスラム教、仏教、ユダヤ教等
6.政体 共和制、連邦制
7.元首 プーチン、ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ
8.議会 連邦院と国家院の二院からなるロシア連邦議会
9.政府 首相 メドヴェージェフ、ドミトリー・アナトリエヴィチ 外相 ラブロフ、セルゲイ・ヴィクトロヴィチ

・コメント
意外に思われるからもいらっしゃるかもしれませんが、ロシアもソ連を構成する共和国の一つでした。
ですので現ロシア=旧ソ連というわけではありません。

ただ、ソ連において、ロシアは人口も経済規模も圧倒的な存在でしたので、共和国の中でも
別格の存在でした。



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