■人種的観点からみた民主党(アメリカ)の支持者
民主党(アメリカ)は、人種的にはユダヤ系、アフリカ、アジア、中南米系等のマイノリティーから多くの支持を受けています。
特に人数的には少ないものの、ユダヤマネー等でアメリカ政治に大きな影響力を保持しているユダヤ人は、ユダヤ人国家のイスラエルをいち早く承認したのが、当時の民主党のトルーマン大統領だったこともあり、民主党を強力に支持しています。
また、オバマ前大統領は、アメリカ史上初のアフリカにルーツを持つ大統領でしたが、これは民主党においてアフリカ系の支持が多いことから実現したものです。
白人崇拝の傾向の強い共和党なら、オバマ氏は、大統領選の候補者にすらなれなかったはずです。
■男女別の観点からみた民主党(アメリカ)の支持者
女性解放を意味するウーマンリブのような活動は、民主党(アメリカ)を支持する女性の象徴的なものです。
また、共和党と異なり、民主党は妊娠中絶について、”女性の当然の権利”としています。
女性の登用にも熱心で、アメリカ下院のトップである下院院内総務は、女性のペロシ氏が務めています。
前回の大統領選挙では、アメリカ史上初の女性候補としてクリントン元国務長官が出馬する等、民主党では、”女性の登用は当たり前”と位置づけられています。
こうしたことから、一般に男性より女性に民主党の支持者が多くなっています。
同じ女性でも良妻賢母的な女性は共和党を支持する傾向にあるとされています。
■企業の観点からみた民主党(アメリカ)の支持者
企業の種別では、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック等のアメリカを代表するIT企業のトップの多くは民主党支持者が多くなっています。
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツは著名な民主党の支持者です。
また、ニューヨークタイムズやCNN等の報道機関の大半は民主党支持です。
これは、報道機関のオーナーの多くが民主党支持の多いユダヤ人だからです。
逆に石油や自動車産業等の伝統的な企業のトップのほとんどは、共和党支持となっています。
企業に関する主要な組織である労働組合については、民主党の支持が多数を占めます。
これは、民主党が伝統的に労働者の味方というスタンスであるためです。
ついこの間までウエイトレスをしていた女性が民主党から出馬して2018年の下院議員選挙に当選したのは、その象徴的な出来事です。
■宗教的な観点からみた民主党(アメリカ)の支持者
アメリカはキリスト教のプロテスタントが主流とされるため、それ以外に属するカトリックやユダヤ教、イスラム教等の信者の多くは民主党を支持しています。
有名な民主党出身のケネディ大統領は、歴代大統領で唯一のカトリック信者でした。
■職業な観点からみた民主党(アメリカ)の支持者
ハリウッドをはじめとした映画産業は、民主党の有力な支持基盤となっています。
ちなみにアメリカ映画で有名な”ET”は典型的な民主党的な映画とされています。
それは”ET”が”他者との対話”をテーマにしているからだとされています。
対して、”荒野の七人”のような西部劇的な映画は共和党的な映画とされています。
■生活拠点からみた民主党(アメリカ)の支持者
民主党は、ニューヨークやシカゴ等のアメリカの大都市で圧倒的な支持基盤を持ちます。逆にフロリダ等の農村地帯では、非主流の位置づけとなっています。
このことは、日本でも都市より農村部のほうが自民党の支持が多いことに通じるものがあります。
アメリカの国土のほぼ9割は、いわゆる田舎で共和党、そしてトランプ大統領の支持基盤に重なります。
前回の大統領選挙でアメリカ国内外の多くの報道機関が”クリントン勝利”と見誤ったのは、報道各社の取材拠点がニューヨーク等の都市ばかりで、大票田の田舎の動向をウオッチしていなかったからだと指摘されています。
■ライフスタイルの観点からみた民主党(アメリカ)の支持者
音楽ならクラシックよりジャズやロックを好み、食べ物なら、寿司や健康食にこだわるようなライフスタイルの人の多くが民主党(アメリカ)の支持者とされています。
実際、クリントン大統領の趣味はサックスでした。
■まとめ
上記のように民主党には、様々な支持者がいますが、中でもユダヤ系、アフリカ、アジア、中南米系等のマイノリティーから多くの支持を受けていることは、最大の強みです。
というのは、アメリカでは、アフリカ、アジア、中南米系国民の出生率がそれ以外の人種に比べて高いからです。
ですので、アメリカの人口におけるこのようなマイノリティーの比率は、年を追うごとに高まっていきます。
対立する共和党が白人優越主義的であり続けるなら、将来的には、民主党が政権を長期的に握るという事態も起こりうると思います。
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