柴原瑛菜(しばはらえな）選手の名前を聞いて、”ああ、あの選手”といえる人はそうは多くはないでしょう。
大学生までアメリカ全土でテニス全米ジュニア王者として広く知られていた柴原瑛菜選手は、2019年6月を機に日本人選手としてプレイすることになり、一躍注目を集めています。
今回は、柴原瑛菜選手のテニスのランキングや全米高校MVPをはじめとした、これまでの実績や東京オリンピック代表に選ばれる可能性について、長年、テニスを趣味にしている筆者の観点からわかりやすく説明します。
柴原瑛菜テニスのランキングや東京オリンピック代表の可能性について
まず、気になる柴原瑛菜選手のテニスの最新世界ランキングは以下の通りです。
柴原瑛菜選手の最新世界ランキング（ＷＴＡ）
柴原瑛菜選手は、現在はダブルスでツアーを転戦していますので、
ランキングでは、ダブルスのみランクインしています。
ＷＴＡが発表した東レオープン終了した2019年9月23日時点でのダブルスランキングは
72位となっています。
ペアを組んでいる青山修子選手は31位、日比野奈緒選手は63位となっています。
全仏オープンダブルスで準優勝経験のある穂積 絵莉選手は78位、二宮 真琴選手は82位となっていますので、現時点で柴原選手は、日本女子ダブルスで３番手のランクにつけています。
柴原瑛菜選手のプロフィール
柴原瑛菜選手は、両親とも東京生まれの日本人です。父親の仕事の関係でアメリカ・南カリフォルニアに生まれ、学校教育は大学まで全てアメリカでうけています。
アメリカは国籍については、出生地主義ですので柴原選手は、日本とアメリカの２重国籍となっていましたが、東京オリンピックに日本代表として参加したいという希望から、2019年6月に日本国籍を選択しました。
・生年月日
1998年 2月18日
※大坂なおみ選手は、1997年10月16日生まれですから日本の教育制度なら同学年になります。
・出身地
アメリカ ロサンゼルス
・国籍
日本
・身長
175センチ
・利き腕
右
・ラケット
ヨネックス EZONE 98
・テニスの目標
グランドスラム優勝
・好きなテニス選手
錦織圭
・趣味
友人との買い物、ボーリング
・言葉
英語、日本語
※日本語のほうが苦手のようです。大坂なおみ選手よりは話せますが。
テニスの目標がグランドスラム優勝ということですが、柴原瑛菜選手の２１歳という年齢から考えると可能性は十分あるのではないかと思います。
柴原選手は、テニス指導者でもある父親や兄弟の影響で7歳からテニスを始めています。
過去、プロ女子テニス選手で一時代を築いたシュテフィグラフ選手（ドイツ）は、３歳のときからテニスを始めたということですから、特に早い方ではありません。
柴原選手は、テニスを始めるとメキメキと実力を伸ばし、８歳の時には、アメリカテニス協会（ＵＳＴＡ）のジュニア強化選手に指定されています。
高校生になると、アメリカの高校生のテニス大会やジュニア大会で目覚しい実績をあげていきます。
柴原選手の全米高校テニス大会での戦績・実績
・全米高校テニス大会で4年間MVP
・全米高校テニス大会で4年間オールアメリカンそのうち3回MPV（女子初快挙）
・全米高校テニス大会で、所属チーム、個人戦共に3年連続優勝（高校では無敗）
日本より遥かにテニス選手の数も質も高いアメリカの高校テニス大会で所属チーム、個人戦共に3年連続優勝というだけで、柴原選手がいかに実力があるのか理解できます。
もし、高校時代に日本にいてテニス大会に出ていれば、前代未聞の高校生記録を打ち立てていたのではないかと思います。
柴原選手は、アメリカでテニスの強豪校として知られるUniversity of California Los Angeles (UCLA) に入学。
UCLAテニス部では、男子プロテニスで華麗なサーブ＆ボレーで一時代を築いたピートサンプラス選手の実姉ステラ・サンプラスコーチの指導を受けています。
大学生のテニス大会やジュニア大会においても抜群の成績を収めています。
柴原選手の全米大学テニス大会での戦績・実績
・2018年
全米大学テニス協会 シングルスランキング、シーズン13位（プレシーズン１位）
全米大学テニス協会 全米シングルス選抜選出、2年連続 Pac12 年間シングルス選手賞、ほか多数
・2017年
全米大学テニス協会 シングルスランキング、シーズン4位（最高２位）
全米大学テニス協会 全米シングルス選抜選出、全米年間ルーキー、ほか多数
オラクル 全米大学テニス協会 Masters 女子シングルス準優勝
・2016年
オラクル 全米大学テニス協会 Masters女子シングルス優勝
ＵＳオープン 女子ジュニアダブルス優勝
上記のうち、ＵＳオープン 女子ジュニアダブルスは、大坂なおみ選手が出場している全米オープンの１段階下のレベルの大会で、ここで好成績を収めた選手は、その後トッププロ選手として活躍することが多いです。
ですので、柴原選手にも大きな期待が持てると思います。
2018年からプロツアーに参戦開始
柴原瑛菜選手は、2018年6月 UCLAを休学しプロツアーに参戦を開始しました。
プロツアーでも早くも実績をあげてきています。
・2018年
ノーマン・オクラホマ ダブルス優勝
ローレン・カンザス ダブルス優勝
ストックトン・カリフォルニア ダブルス優勝
レキシントン・ケンタッキー ダブルス優勝
2019年に入ると日本人選手と初めてペアを組み、準優勝を果たしています。
・2019年
７月
ローザンヌ女子選手権ダブルスベスト4
８月
ムバダラ・シリコンバレー・クラシック ダブルス準優勝
※青山修子（近藤乳業）選手とペア
９月
東レパンパシフィックオープン
ダブルス準々決勝で、土居美咲（ミキハウス）／日比野菜緒（ブラス）に敗退
※青山修子（近藤乳業）選手とペア
10月
中国オープン 女子ダブルス準決勝で青山修子（近藤乳業）柴原瑛菜（橋本総業）組は、ソフィア・ケニン、ベサニー・マテックサンズ組（米国）に4-6、1-6で敗れ、決勝進出を逃しました。
📰#青山修子/#柴原瑛菜 が準決勝進出、フレンチ・オープン優勝ペアのバボス/ムラデノビッチから金星 [#チャイナ・オープン]#テニスマガジン
準々決勝で、青山/柴原が第2シードを6-3 6-4で倒す金星を挙げ、ベスト4進出。#ChinaOpen#JWO #花キューピットオープンhttps://t.co/enNGTHu9Wv
— Hana-Cupid Japan Women's Open (@jwo_tennis) October 4, 2019
柴原瑛菜選手の強さの秘密とは？
柴原瑛菜選手の強さの秘密は、日本人女子テニス選手としては長身の175センチを生かしたサーブ＆ボレーを得意としていることにあります。
サーブ＆ボレーには、まずサーブを武器にする必要がありますが、柴原選手は、女子テニス選手には珍しいスピンサーブ（バウンドした後、高く弾むサーブ）を得意にしていることが最大の強みとなっています。
特にダブルスでは、ネットに詰めたほうが有利ですので、その長身とあいまって相手には脅威となるでしょう。
また、バックハンドストロークで両手打ちの他にスライスを適度に使って緩急を使い、相手のタイミングを外すことも得意としています。
実際、日本女子トップクラスのテニス選手との試合をみると、柴原選手（黄色のウェア）のスピンサーブが威力を発揮していることがわかります。
柴原瑛菜選手の東京オリンピック出場の可能性
柴原選手は、東京オリンピックに日本代表として出場するべく2019年６月に日本国籍を選択、その後テニス競技のサポートに熱心な東証上場企業の橋本総業ホールディングスと契約しています。
今後、柴原選手は日本人プロテニス選手として日本を中心にプレイしていくことになりました。
東京オリンピックのテニス代表選手の決定は、2020年に行われるグランドスラム全仏オープン終了後の世界ランキングが重要な選考材料となります。
従って、柴原選手が東京オリンピックに出場するためには、日本人選手とペアを組んだダブルスの世界ランクを３０位以内までアップさせる必要があります。
また、日本女子ダブルスには全仏オープンダブルスで準優勝した穂積 絵莉・二宮 真琴ペアやダブルスを得意とする加藤未唯選手等がいますので、これらの選手との比較、ペアとしての相性等も問われることになります。
現在、ペアを組む青山修子選手は東京オリンピック強化指定選手ですのでペアを組む柴原選手への日本テニス協会の期待が窺えます。
ただし、柴原選手は現時点では、東京オリンピック女子強化指定選手とはなっていませんので2019年12月に予定されている強化指定選手の再評価で指定選手に選ばれるかどうかが大きなポイントとなりそうです。
もし、指定選手に選ばれれば出場の可能性は大きくなると思います。
柴原選手は、2020年３月にスペインで行われる女子国別対抗戦に青山修子選手とダブルスで日本代表として、出場することになりました。
これで、柴原選手の東京オリンピックへの出場の可能性が一段と高くなりました。
まとめ
・柴原瑛菜選手の最新世界ランキング（ＷＴＡ）は、2019年9月23日時点で女子ダブルスで72位となっています。
シングルスでは出場していませんのでダブルスのみランキングの対象となっています。
・柴原瑛菜選手は、2019年6月に東京オリンピック出場を目指すため、それまでのアメリカ・日本の２重国籍から、日本の国籍を選択。以降、日本人選手としてプレイしています。
・柴原瑛菜選手が東京オリンピックに出場するためには、まず2019年12月に行われる予定の東京オリンピック女子強化指定選手の選考・評価で指定選手に選ばれることが必要です。指定選手になれば、東京オリンピック出場の可能性が大きくなります。
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