肉まんは、冬の時期、コンビニでは”おでん”と並ぶ人気の食べ物です。
ただ、この肉まんは、関西を中心に豚まんと呼ばれています。
そこで肉まんを豚まんと呼ぶ背景や味覚の違い等についてわかりやすくお伝えします。
いきなり、肉まんとは?と始める前に、肉まんがそもそもどんな食べ物に分類されるのか知っておくと理解しやすくなると思います。
肉まんは、日本発の食べ物ではなく、中華まんとよばれる中国由来の食べ物です。
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■中華まんと肉まんの関係
肉まんは、中国由来の中華料理の一種です。
コンビニでは、ほとんどの店で、肉まんとあんまんを販売しています。
中華まんは、小麦粉、水、砂糖、イースト、酵母、ベーキングパウダーなどをこねて発酵させて作った柔らかい皮で具を包み、蒸し上げたまんじゅうのことです。
その饅頭の中に肉がはいっていると”肉まん”、あんがはいっていると”あんまん”となります。
中華まんと肉まんの関係は小学校の算数で習う集合の分類方法に従えば
中華まんが全体集合に対し、肉まんは部分集合ということになります。
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■肉まんを豚まんと呼ぶ地域とその背景
筆者は関東の人間ですが仕事で大阪に住んでいたことがあります。
その際、巷のコンビニ等で、肉まんを豚まんとして販売していることに違和感を覚えたものです。
当初は、関西の豚まんは、関東の肉まんと別物ではないかと思ったほどです。
★関西で肉まんを豚まんと呼ぶ背景
関西では、古くから農作業で牛を使う習慣がありました。
そして、農作業にかり出される牛がその役目を果たせなくなると食肉として食べるということが日常的に行われてきました。
そうしたことから、特に関西の人々にとって牛肉は身近な存在で、”肉を食べる=牛肉を食べる”というような感覚が身についています。
神戸牛・但馬牛・近江牛と全国に通じるブランド牛肉が関西に沢山あるのは、このためです。
こうした歴史から、関西では肉と言えば当然のごとく牛肉のことを意味します。
その一方で、牛肉以外については、京都を中心に鶏肉=”かしわ”とよび区別する等、肉とは呼ばないような習慣が根づいています。
実際、京都の街を歩くと”かしわや=鶏肉店”という看板を掲げる店をよく目にします。これは、関東ではまず見られない光景です。
肉まんについても牛肉ではなく豚肉が使われているということで豚まんと呼ぶのが習慣とされています。
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■肉まんと豚まんは同じ食べ物か?
関東で肉まん、関西で豚まんを食べた経験からですが
豚まんと肉まんは呼び方が違うだけで同じ食べ物です。
ただ、関西で豚まんというと100人中100人が思い浮かべる蓬莱551の肉まんは関東の人間からするとかなり薄味となっています。
ですので、肉まんと豚まんは同じ食べ物ですが、関東と関西では味付けが異なるということになります。
■全国的には豚まんが主流?
全国的に流通している食べ物が地域によってどのように呼ばれているのかを調べるのに最も相応しいのは、コンビニでしょう。
中でもセブンイレブンは、店舗数が他のコンビニに比べ圧倒的に多いですのでその影響力は計り知れません。
そこでセブンイレブンで肉まん・豚まんをどのような商品名で販売しているのか調べたところ、下記のような結果になりました。
★全国で販売されている肉まんの主な商品名
・もちもちジューシー肉まん
★東京の1部で販売されている肉まんの主な商品名
・こだわりの本格肉まん
★北海道で販売されている肉まんの主な商品名
・もっちり道産ホエイ豚まん
★関西地方で販売されている肉まんの主な商品名
・もっちり生地のこだわり豚まん
★東北地方で販売されている肉まんの主な商品名
・平牧三元豚の豚まん
以上のように関西では肉まんではなく、やはり”豚まん”として販売されています。
対して、東京では,やはり”肉まん”です。
出来ることなら全国で統一した商品名としたいはずのセブンイレブンも”肉まんの呼び名の特殊な事情”
を配慮しているのかもしれません。
意外だったのは、東北・北海道でも豚まんとして販売していること。
もしかしたら、全国的にみたら肉まんのほうが少数派なのかもしれません。
■まとめ
これまで説明させていただいたようにある種の”牛肉信仰的な価値観”
があるのは関西地方だけです。
ですので、東京のような様々な地域から人が集まるような大都市では大半の人は
”それが肉まんと呼ばれるのか、豚まんなのか”ということは、正直どうでも良いと考えていると思います。
わかりやすさからすると何の肉が入っているのか一目瞭然の豚まんに軍配が上がると思います。
もしかしたら、関西の一部でしか食べられていなかった恵方巻きがあっという間に全国に広まったように、”豚まん”が全国制覇するのではないかと思います。
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