アメリカ 中間選挙とは?仕組みや予備選・影響についてわかりやすく説明

政治用語の違い

アメリカ中間選挙とは何か?その役割・意義について

アメリカ中間選挙とは、大統領選挙から2年後に行われる上院と下院の議会選挙のことです。
アメリカの連邦議会は上院と下院から成り立つ二院制を採用しています。

そして、この中間選挙によって、上院の議席(100議席)の3分の1、下院の全議席(435議席)が改選されることとなります。
中間選挙は、2年間の与党の政権運営に対する信任投票としての性質が強く、現政権の政治に対して国民の民意を問うことができるという意義があります。



アメリカ中間選挙の仕組み

①投票日
アメリカ中間選挙の投票日は「11月の第1月曜日を含む週の火曜日」とアメリカ連邦法によって規定されています。

②選挙の対象者について
選挙の対象は上院の議席の3分の1、下院の全議席となっています。
上院は、各州から2人を選出する仕組みとなっており、州の代表としての性格が強いといえます。

一方、下院は、人口に比例して各州へ議席が割り当てられ、各選挙区から1人を選出する仕組みとなっており、国民の代表としての性格が強いと言えます。

※選挙権と被選挙権(上院と下院の違い)

まず、18歳以上のアメリカ国籍保持者に選挙権が付与されます。

もっとも、日本とは異なり、選挙権行使のためには選挙人登録という手続きを踏まなければならず、また、その手続きも州ごとによって異なります。
次に、上院議員の被選挙権は30歳以上で、アメリカ国籍を取得してから9年以上経過している必要があり、かつ、立候補する州の住民であることが必要です。

一方、下院議員の被選挙権は25歳以上で、こちらはアメリカ国籍を取得してから7年以上経過していることが必要であり、かつ、立候補する州の住民であることが必要となっています。

③民主党・共和党の予備選について

中間選挙に立候補するためには、まずは各党それぞれで予備選を行い、政党の正式候補にならなければなりません。

予備選挙は、各州で5月から9月ごろまでに行われ、中間選挙に立候補する候補者を選出することになります。

④上院議員と下院議員の違いについて

基本的には、上院議員と下院議員は対等な立場ということになっています。

しかし、前述したように上院議員は州の代表としての性格が強く、下院議員は国民の代表としての性格が強いという両者の違いから、以下のような違いもあります。

まず、上院議員の任期は6年となっています。

外交関連などの比較的時間をかけて取り組むべき仕事の権限が優先的に与えられています。 

一方で、下院議員の任期は2年となっており、国民の生活に直接影響するような税制などに関わる仕事の権限が優先的に与えられています。

⑤当選者の決定について
11月中間選挙日、各州ごとに投票が行われ、他者より票の多かった候補者が当選者となります。



アメリカ中間選挙の影響について

①政権に対する影響
中間選挙は、現政権の2年間の行政運営に対する審判という意味合いがあります。

そして、中間選挙の結果次第では、与党の政権運営は大きな影響を受けることになります。

仮に与党が敗北して、議会の多数派が上院と下院とでねじれるような結果となった場合、議会において法案が通りにくくなり、それまでの2年間に進めて来た政策は停滞を余儀なくされることになります。また、最悪の場合、レームダック化する事態ともなってしまい、残り2年の政権運営にとって致命的な状態にもなりかねません。

過去の選挙結果からは、中間選挙は、与党に不利になりやすいということがはっきりしています。

つまり、その時点での与党・政権に対する不満が投票行動に直結している、といえそうです。

②経済に対する影響
中間選挙は大統領選挙に次ぐアメリカのビッグイベントと言えます。

そのため、国内外の経済状況にも大きな影響を与えることになります。

まず、中間選挙の行われる週の株式市場では多くの取引が行われ、株価が乱高下する傾向にあり、その変動幅は大変大きなものとなります。

また、中間選挙の結果次第では、経済政策や金融政策の変更などから、株式市場は一時混乱する状態にもなります。
そして、与党が敗北した場合で、議会において予算案が通らないといったことにもなれば、経済の停滞を招き、今後の世界経済の景気にも大きく影響を及ぼすことにもなってしまいます。

③対外関係に対する影響
この点、外交と安全保障に関する事項は大統領の専権事項となっており、内政とは違い、中間選挙の結果が外交に直接影響するということはありません。

しかし、国防関連の予算案が議会で通りずらくなったような場合には、安全保障には少なくない影響が出て来ます。

また、アメリカ国民の現政権に対する信任状況によっては、相手国との外交交渉においても、不利な状況になる可能性もあります。




コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました