共産主義がなぜ嫌われるのか?★年代別に理由・背景をわかりやすく説明

政治用語の違い

共産主義が嫌われているのは日本だけではありません。

全世界的に嫌われています。

中でもドイツは、共産党を民主主義に反する政治団体として憲法で禁じています。

日本共産党が国会で一定の議席を保持していることから、世界のなかでは日本は共産党・共産主義に比較的寛容であるといえます。

その日本では、全世代で共産主義を嫌い・好ましくないと捉えている人が圧倒的に多いですが、その理由・背景は、世代によって異なります。

そこで、共産主義がなぜ嫌われるのかについて、世代ごとにわかりやすく説明します。



戦争体験世代が共産主義を嫌う理由・背景

第二次世界大戦を体験した世代にとっては、共産主義というとやはり終戦間際に火事場泥棒的に日本に中立条約を破って参戦してきたソビエト連邦が思い浮かぶようです。

ソ連が当時の満州(現中国東北部)や樺太(現ロシア・サハリン)・北方四島に侵攻、そこにいた日本人に筆舌に尽くしがたい
暴行・略奪行為をしたことで、”ソ連=悪い国”ということが刻み込まれました。

戦争終結後に多くの日本兵をシベリア抑留・強制労働で死に至らしめたという記憶も共産主義に対するイメージを悪いものにしています。
また、戦後、ソ連の独裁者スターリンによって何百万にぼる罪のない人々を粛清したことが明らかにされたことで”共産主義=悪い体制、民主主義とは程遠い体制”という認識が日本を含む世界全体で高まり、現在に至っています。

このようなことから、悪い国のソ連の体制の共産主義も好ましくない体制と嫌悪する人が多数を占め、現在に至っています。

冷戦世代が共産主義を嫌う理由・背景

第二次世界大戦終結後、ソ連の影響下に置かれたポーランド、チェコ、スロバキア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、東ドイツ(現ドイツ)が次々と共産党が主導する共産主義国家になりました。

ソ連をはじめとした共産主義諸国とイギリス・アメリカ・フランス・西ドイツ(現ドイツ)と日本等の資本主義諸国が厳しく
対立する冷戦に突入していきました。

その間、共産主義体制での人権抑圧に抗議したハンガリーやチェコスロバキアで勃発した国民による大規模な暴動をソ連が軍事介入して押さえつけたことがリアルタイムで資本主義諸国で報じられました。

このハンガリーやチェコスロバキアにおける動乱をソ連が軍事力で抑え込んだ出来事により、それまで社会主義・共産主義体制を好意的にみていた日本国内の人々の多くが、共産主義に幻滅し、急速に支持を失いました。

また、共産主義国の東ドイツと資本主義国の西ドイツで唯一、人の行き来が可能であった、西ベルリンと東ベルリンにおいて
共産主義に嫌気がさして、東ドイツから西ベルリンを通じて多数の人が逃亡する光景を目の当たりにした世界の人びとは”共産主義は自由・人権を抑圧する体制”として認識していきました。

冷戦世代にとって共産主義は、”人権や自由を抑圧する体制”ということをテレビや新聞でリアルタイムで知ることとなり、好ましくないイメージが形成され、現在に至っています。

ソ連崩壊後世代

1991年に世界初の共産主義国家ソビエト連邦が崩壊。

それに伴い、まるでドミノ倒しのようにポーランド、チェコ、スロバキア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、東ドイツ(現ドイツ)の東欧共産主義国も次々と共産主義体制が崩壊していきました。

その結果、共産主義国は、激減、中国、北朝鮮、キューバ、ベトナムくらいになってしまいました。

ソビエト連邦が崩壊を目の当たりにした世代は、”共産主義体制はダメな体制”だから消滅したとリアルタイムで知ったことで共産主義体は好ましくない体制と認知され、嫌う人が多数を占めるようになり、現在に至っています。




中国共産党・北朝鮮に影響を受けた世代

ソ連崩壊後に唯一の共産主義大国となった中国の特に2000年代以降の軍事力増強に基づく、日本を含む周辺諸国への領土紛争等を通じた高圧的な態度。

また、拉致問題を引き起こした北朝鮮への嫌悪感が共産主義に対する嫌悪感を形成しています。

最近では、中国共産党による香港民主化弾圧や台湾への軍事的威圧から、さらに共産党が主導する政治体制へのマイナスイメージが増幅しています。

コロナパンデミックに対する非を認めようとしない中国共産党政府の対応・態度も共産主義に対する嫌悪感の増長に寄与しています。

現在の中国はもはや共産主義国というより、国家資本主義体制というべき体制ですが、中国共産党が支配し、その最高指導者の習近平氏が欧米流の民主主義と全く異質の皇帝のように振る舞っていること。

尖閣諸島問題で強圧的な行動を繰り返していること。

北朝鮮においてもやはり朝鮮労働党(共産党)の最高指導者が金正恩氏が独裁者としてミサイル発射を繰り返し、日本周辺に軍事的緊張をもたらしていること。
拉致問題を引き起こしたことに加え、対応が冷酷・不誠実なこと。

などから、20代~30代でも共産主義を好ましくない・嫌うという層が多くなっています。

まとめ

上記のように共産主義がなぜ嫌われるのか?ことに対しては、世代により体験したソ連や中国・北朝鮮等の共産主義国の振る舞いや行為を直接・間接的に体験、見聞きしたことが大きな原因となり、多くの日本人が”共産主義に対して好ましくない・嫌い”という感情を形成しているからといえそうです。




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