共産主義国(社会主義国)がなぜ独裁体制になるのか?その理由をわかりやすく説明

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共産主義国がなぜ独裁体制になるのか?その理由・背景についてわかりやすく説明します。

共産主義思想を打ち立てたのは、ドイツの哲学者カール・マルクスです。

マルクスによれば人類社会は
資本主義社会→社会主義社会→共産主義社会というように必然的に発展していくと説きました。

このうち、資本主義から社会主義・共産主義社会に移行する際には、資本家、大地主等の資本主義社会支配層を打倒するためにプロレタリアート(労働者階級)による独裁が必要だとされていました。




マルクスの死後に起きたロシア社会主義革命では、ロシア共産党の指導者のレーニンがマルクスの教えの通り、大地主から土地を没収する等、それまでのロシア資本主義社会の支配層を排撃。

さらに多数の政党から構成されていたロシア国民議会を武力で閉鎖。
※このときのロシア国民議会においてボルシェビキ(ロシア共産党)は多数派を占めていませんでした。

ロシア共産党による一党独裁に移行しました。
ロシア革命の指導者のレーニンは、複数政党制による政治は非効率なシステムとその著書で言及していました。

共産党・共産主義者は、資本主義社会における多数の党による議会政治は、社会主義社会そしてその先にあるとする共産主義社会からすると過渡期の政治形態という捉え方をします。

また、社会主義社会では、”共産党が国家を指導する”体制になります。
中国の最高指導者が中国共産党のトップである総書記の習近平氏であるのは、このためです。

また、最近軍事力増強が目覚ましい中国人民解放軍は、”国の軍隊ではなく中国共産党の軍隊”ということになります。

日本や欧米のように国家の下に複数政党制による議会がある体制とは根本的に政治体制や運営方法が異なるのです。

共産党・共産主義者は、”人類社会は共産主義社会が実現してはじめて無政府状態となり、国家も消滅し、本当の自由を手にする”と考えています。

従って、共産主義社会の前過程であるとする社会主義社会で、共産党による独裁政治(=プロレタリアートによる独裁)は、共産主義社会を実現するためには、歴史的必然で必要不可欠と考えているのです。

つまり、共産党は、社会主義社会における独裁政治体制を肯定的に捉えています。

共産主義国(社会主義国)がなぜ独裁体制になるのか?という問いに対して、その理由は、

資本主義社会から社会主義社会・共産主義社会に移行するために共産党による一党独裁が必要不可欠と共産党や共産主義者が考えているからということになります。

実際、世界初の社会主義国家ソビエト連邦から現在の中国、北朝鮮、ベトナム、キューバに至るまで、社会主義国において、日本や欧米のような複数政党制となった例はありません。

つまり共産党が支配する社会主義社会と一党独裁は、一心同体の関係にあるのです。




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