maas(マース )とはその定義と具体的なサービス内容・関連企業一覧

■MaaS(マース )の定義

MaaS(マース )とは、次世代の新交通サービスのことを意味します。

MaaS(マース )はMobility as a Service の略称。

フィンランドの企業、マースグローバルが2016年に創始したサービスで、ICT を活用して交通をクラウド化。

公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイ カー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ 新たな「移動」の概念。

2015年のITS世界会議で設立されたMaaSAllianceでは、「MaaSは、いろいろな種類の交通サービスを、需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合することである」とされています。


■MaaS(マース )の具体的なサービス内容

MaaS(マース )の利用者が、スマホでアプリ「Whim」を通じて目的地や時間を入力すると、
①最短時間で行くことが可能なルートを自動的に検索

②乗り継ぎのバス、タクシー、カーシェア等の経路や時間案内をし、また同時に予約や交通費の一括決済が可能

以上のようなサービスを月額の定額料金で利用可能なサービスとして個人を対象に提供。
つまり、日本でいえば乗り換え案内情報サービスのジョルダンにタクシーや、カーシェア等の交通情報を加えた上、予約や決済機能まで備えたサービスです。

MaaS(マース )は、さらにAI(人工知能)を用いて、利用者を鉄道等の公共交通機関に誘導して、交通渋滞の解消や環境対策にも寄与することが可能といことが従来のサービスとは異なる点です。

実際、フィンランドでは、MaaS(マース )の利用により、自家用車の利用を最大で半減させるという効果をあげはじめています。

■MaaS(マース )の海外における現状

★フィンランド

首都ヘルシンキで、MaaS Global社により MaaS アプリ「Whim」のサービスが2016年に開始。
運輸通信省は、デジタル化、試行、規制緩和を進める目的で、交通サービス法(Act on TransportServices)を 3段階に分けて施行を予定しており、最初の道路交通分野については2018年7月施行。

第2段階では、航空、海運、鉄道交通分野が追加。

第3段階は、交通システム及び関連デジタルサービスを対象する予定。

★ドイツ

ダイムラー社の子会社Moovel が、ドイツ全土でモバイルアプリ「moovel」のサービス(予約、決済は除く)を 2012年に開始。

ドイツ鉄道(DB)が、多モードのルート・運賃情報の検索アプリ「Qixxit」を 2013年より提供。

★イギリス

ウェストミッドランドにおいて、MaaS Global 社のアプリ「Whim」のサービスが2018年4月に開始。


■日本の現状

★JR東日本

2017 年 9 月、交通事業者、国内外メーカー、大学、研究機関などが参加、連携し、社会課題の解決に取り組むことを目的に、「モビリティ変革コンソーシアム」を設立。

3 つのワーキング・グループ(WG)を設置し、Door to Door推進WG において都心地域等におけるマルチモーダル・サービスを検討。

現在、日立製作所と専用のアプリ「リンゴパス」を用いて、都内で実証実験を実施中。

★小田急

2018 年 4 月、「中期経営計画」で、次世代モビリティを活用したネットワークの構築で将来像に「多様なモビリティサービスを 1 つのサービス(MaaS)として利用者に提供」との文言を盛り込む。

専用アプリ「小田急MaaS」(仮称) の開発に着手。
2019年に沿線で実証実験を開始する計画。

★トヨタ自動車

2018年1月、CES2018(米国ラスベガス開催)でモビリティサービス専用EV 「e-Palette concept」を発表。

2018年10月、ソフトバンクグループとマース事業での提携を発表。

専用のスマホアプリ「マイルート」を開発。
2018年11月から福岡市で西日本鉄道と共同で実験を開始。

★東急

2019年1月~3月に田園都市線のたまプラーザ駅周辺で実証実験を開始する計画。



■国の取り組み状況

★政府

「未来投資戦略2018」で自動運転の実用化や関連の法整備、公共交通全体のスマート化を重点政策課題として掲げる

★国土交通省

MaaSについて、渋滞解消や街づくりに有用な仕組みと判断。
2019年度に国内の複数箇所で実証実験を行う予定。

★経済産業省

「IoTやAIが可能とする新しいモビリティサービスに関する研究会」で検討
2018年10月に中間整理を公表。

中間整理では、今後の取組の方向性として次の3点について検討を続けるとしています。

①デジタル投資促進とデータ連携・利活用拡大のための基盤整備

②スタートアップや異業種等との協業の促進

③企業と連携して新たな取組に挑戦する地域の支援


■MaaS(マース )の市場規模や課題

★市場規模

MaaS(マース )関連ビジネスには、自動車メーカー、運輸、IT、通信、金融等の企業が食指を伸ばしています。

世界的な市場規模としては、2030年代に100兆円前後になると予測されています。

★課題

MaaS(マース )は、交通情報は鉄道会社等から提供を受けることが前提となっているため、分散している関連データをどのように一元化させるのかが課題とされています。

■MaaS(マース )関連企業

★運営会社

・マース・グローバル(フィンランド)
2019年にシンガポールに進出予定。

★交通関連会社

・トヨタ自動車

・小田急電鉄

・東京急行電鉄

・JR東日本

・パーク24

・ドコモ・バイクシェア

・みちのりホールディングス

★関連サービス会社

・ジョルダン

・DeNA

・ウーバーテクノロジーズ

・ジャパンタクシー

・ヴァル研究所


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