電脳コイル(監督 磯光雄)を観た感想やあらすじ

アニメ評価・感想・あらすじ

今回は、大好きなアニメ「電脳コイル」について語っていきたいと思います。



作品の属性情報

【作品のキーワード】

「少年少女」「AR」「冒険」「夏休み」「めがね」「小学校」「SF」「近未来」

作品の属性情報

【原作・脚本・監督】 : 磯光雄

【公開日】 : 2007年

【制作会社】 : マッドハウス

【主な出演者】
・ヤサコ…折笠富美子   
・フミエ…小島幸子
・イサコ…桑島法子    
・ダイチ…斎藤梨絵
・京子…矢島晶子
・ハラケン…朴路美

【放映時間】 : 1話あたり25分 / 全26話





登場人物

ヤサコ:小此木 優子(おこのぎ ゆうこ)
    主人公。1人目のユウコ。大黒市に引っ越してきた小学6年生。おとなしく真面目そうな外見の、やさしい女の子。

イサコ:天沢 勇子(あまさわ ゆうこ)
    裏主人公。2人目のユウコ。ヤサコと同じく転校してきた。高めの位置のツインテールで、気の強い性格の女の子。

京子:(きょうこ)
   ヤサコの妹。元気な子で、ヤサコ周辺の人物たちにもよく関わっていく。

ハラケン:違うクラスの男の子。電脳ペットに秘密がある。

フミエ:ヤサコの同級。気は強めな女の子。

ダイチ:いたずら好きなガキ大将。よくフミエに絡む。

デンスケ:ヤサコの電脳ペット。気の抜けたパグのような見た目。忠犬。

視聴動機

昔テレビで観ていたことのあるアニメだったので、どんなものだったか思い出そうとして観始めました。中学生の頃に初めて観たのですが、そのときの「よかった」という気持ちは覚えていたためです。
ですがやはり大人になって言葉の意味や社会がわかるようになると、観たときの素晴らしさが断然違いました。この感覚があるから、小さい頃に純粋な気持ちで作品を受け止められる時間は大切だと思います。

あらすじ

 「電脳メガネ」をかけ、仮想現実でネットやゲームをするのが大流行する202X年。ほぼすべての子供がメガネをかけています。
小学6年生のヤサコは、神社やお寺が多く残る大黒市へと引っ越してきました。
その町でイサコと出会い、電脳空間に関する騒動に関わっていきます。

・各話題名と一言

第1話  「メガネの子供たち」…ヤサコ、大黒市へ引っ越します。
第2話  「コイル電脳探偵局」…デンスケ、ウイルスに感染したうえ狙われます。
第3話  「優子と勇子」   …デンスケをめぐる戦い、その2です。
第4話  「大黒市黒客クラブ」…転校生イサコ、男子と戦います。
第5話  「メタバグ争奪バスツアー」…子供たちのちょっとした冒険です。
第6話  「赤いオートマトン」…ハラケン、何者でしょう?
第7話  「出動? コイル探偵局」…ヤサコ、またイサコと関わります。

夏休み突入

第8話  「夏祭り、そして果たし合い」…夏祭り回です。
第9話  「あっちのミチコさん」   …部活動の学校合宿をします。肝試し回です。
第10話 「カンナの日記」 …ハラケンには、カンナという幼馴染がいたそうです。
第11話 「沈没! 大黒市」…魚を育てて一攫千金プロジェクト!
第12話 「ダイチ、発毛ス」…子供たちに髭のウイルスが取りつきます。
第13話 「最後の首長竜」 …子供たち、恐竜と仲良くなります。
第14話 「いきものの記録」…今までの振り返り回です。折り返し地点ですね。

第15話 「駅向こうの少年」…ヤサコは、よく夢に見る鳥居の神社を探します。
第16話 「イサコの病室」 …イサコは、病院に「ある人」をお見舞いに来ています。
第17話 「最後の夏休み」 …ハラケン、動き出します。
第18話 「異界への扉」  …ハラケンはカンナに会うため、イサコと手を組みます。
第19話 「黒い訪問者」  …京子を助けようとするヤサコたちです。
第20話 「カンナとヤサコ」…ハラケンを助けようとするヤサコたちです。

新学期

第21話 「黒いオートマトン」   …学校が駅ビルの最上階へ移転します。
第22話 「最後のコイル」     …イサコ、ヤサコの家へ招かれます。
第23話 「かなえられた願い」   …逃げるヤサコとイサコ、その運命は?
第24話 「メガネを捨てる子供たち」…危ないので、大人たちは子供からメガネを取り上げます。
第25話 「金沢市はざま交差点」  …イサコのため、ヤサコは「あっち」へ向かいます。
第26話 「ヤサコとイサコ」    …二人のつながりは、ずっと昔にありました。

注目出演者: 朴路美…朴さんは鋼の錬金術師やBLEACHなどで少年の声を担当されており、有名な女性声優さんです。この作品でもハラケンという少年の声を担当しています。この子が今まで担当されてきた人物たちと違うのが、年齢層が低く、気弱でおとなしいタイプという点です。それでもピッタリで、いい声だな~と感じます。




感想

電脳コイルには、懐かしさや小学生の頃のワクワクやドキドキ、子供だから感じる切なさと苦しさがたくさん詰まっています。
磯光雄監督は、ガンダムやエヴァンゲリオン、ジブリ作品などでアニメーターをしてきた方で、この作品が初の監督作品になります。しかもお一人で原作・脚本も手掛けています。これだけのものを一人で原作・監督ともに演出できる人は、個人的に他には宮崎駿監督くらいだと思います。

【目の前に迫る未来】

電脳コイルの舞台は202X年となっています。つまり、もう目の前の世界なのです。
実際、ARやVR、ドローンの技術もかなり発展・展開されていますし、メタバースという仮想空間については、私の知り合いも実際使っています。
この作品を2007年に、製作期間も含めればもっと前から構想されていたわけですから驚きです。

【非現実と接する子供たち】

電脳コイルには、仮想空間や電脳の存在が描かれ、それらは言ってしまえば現実ではありません。

それら非現実と関わりながら、子供たちは学校へ行き、家庭での時間を過ごし、友達とけんかをし、夏休みを過ごします。

現実ではない、本当にそうでしょうか。

作品内には、イリーガルや電脳ペットといった仮想空間上の生き物たちがいます。

それらは犬や猫、大きな恐竜や、人と同じ知能を持つ「毛」の姿をしていることもあります。

子供たちはそれらの生き物と対等にやり取りをします。追いかけたり、話をしたり、とりつかれたり、戦ったり、こわがったり。彼らが死ぬとき、涙を流したり。

それが作り物だったとしても、彼らが過ごした時間や感じた気持ちは現実です。

だからこそ、「作り物だから情を持っても意味がない」とか「現実でないのに感情を揺さぶられるのは無駄だ」とか、そういうことでは全くないのです。

意味があるかないかではないですし、得か損かという話でもありません。

私たちは意味があるからとか、得をするからとか、そういうことですべての何かと関わるわけではありません。
私たちは大いに感情を揺さぶられていいし、何かを大事に思っていいのです。

これはアニメや漫画、想像上のものを見るとき全般に言えることだと思います。

自分の知らない世界を「感じるイマジネーション」が人を育てていきます。
電脳コイルで仮想空間の生き物たちと接する子供たちの姿を見て、あらためてそれを思いました。

・総合点 : 98点




コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました