将棋のスポンサー企業一覧と狙い・メリットについてわかりやすく説明

将棋に関する情報

将棋のスポンサー企業一覧となぜ、スポンサーになっているのか?その狙い・メリットについてわかりやすく説明します。

筆者は将棋を趣味としていますが、そうでない人からすると”将棋を指してなぜお金をもらえるのか”理解できない人も少なくないようです。

結論からですが、藤井聡太七段、羽生九段をはじめとしたプロの将棋棋士は、将棋のタイトル戦を主催している新聞社等のスポンサー企業を通じて、将棋を指すことで対局料またはタイトル賞金という形でお金を得ているのです。

四段当時の連勝記録で旋風を巻き起こした藤井フィーバー以降、タイトル戦の主催企業に協賛するスポンサー企業も増えてきています。

現時点でのタイトル戦別のスポンサー企業は、以下の通りです。



将棋 タイトル戦別のスポンサー企業一覧

竜王戦

主催 読売新聞 協賛 野村ホールディングス株式会社
協賛:東急グループ UACJ 旭化成ホームズ あんしん財団 JRA

名人戦

主催 朝日新聞 毎日新聞 協賛 大和証券グループ

叡王戦

主催:不二家 特別協賛:ひふみ投信 SBI証券
協賛:中部電力株式会社 豊田自動織機 豊田通商株式会社
※2020年にそれまで主催していたドワンゴから不二家に主催が変更されました。
同時に社長が将棋好きなひふみ投信が特別協賛になっています。

お~いお茶杯王位戦

主催 
北海道新聞、東京新聞、中日新聞、
神戸新聞、徳島新聞、西日本新聞
特別協賛:株式会社伊藤園

王座戦

日本経済新聞
特別協賛:東海東京証券株式会社

棋王戦

主催 共同通信
※棋王戦掲載紙
河北新報 下野新聞 千葉日報 新潟日報 信濃毎日新聞 山梨日日新聞 静岡新聞

北日本新聞 北國新聞 京都新聞 日本海新聞 山陽新聞 中国新聞 愛媛新聞 高知新聞

佐賀新聞 長崎新聞 熊本日日新聞 南日本新聞 沖縄タイムス

ALSOK杯王将戦

主催:毎日新聞社 スポーツニッポン新聞社
特別協賛:ALSOK
協賛:(株)囲碁将棋チャンネル 株式会社立飛ホールディングス

ヒューリック杯棋聖戦

主催 産経新聞 特別協賛ヒューリック

新人王戦

主催 しんぶん赤旗

富士通杯達人戦

主催 週刊朝日 富士通

NHK杯将棋トーナメント

主催 日本放送協会

将棋日本シリーズ

主催 JT

朝日杯将棋オープン

主催 朝日新聞

銀河戦

主催 囲碁・将棋チャンネル

YAMADAチャレンジ杯

加古川青流戦

主催 加古川市




女流将棋のタイトル戦は、女流棋士のレベルの向上等から、昨年、ヒューリック杯清麗戦が新たに開設される等、増えています。

2021年に女流将棋界最高峰のタイトル戦としてヒューリック杯白玲戦が開始されました。
白玲戦は、女流将棋初となる順位戦も開設。賞金額も女流将棋最高の1500万とトップ。

白玲戦をヒューリックが主催となったことで、清麗戦は大成建設の主催になりました。

女流タイトル戦のうち、リコー杯女流王座戦と女流王位戦は、既存のタイトル戦の女流版という位置づけとなっています。

女流将棋 タイトル戦別のスポンサー企業一覧

ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦

大成建設杯清麗戦

主催大成建設

マイナビ女子オープン

主催 マイナビ

リコー杯女流王座戦

主催 リコー 特別協力 日本経済新聞

岡田美術館杯女流名人戦

主催: 報知新聞社 特別協賛: 株式会社ユニバーサルエンターテインメント

女流王位戦

主催 北海道新聞 東京新聞 中日新聞 神戸新聞 徳島新聞 西日本新聞

霧島酒造杯女流王将戦

主催:(株)囲碁将棋チャンネル 協賛: 霧島酒造株式会社
協力: BTVケーブルテレビ株式会社

大山名人杯倉敷藤花戦

主催:倉敷市 倉敷市文化振興財団 山陽新聞

YAMADA女流チャレンジ杯

協賛 上毛新聞 群馬テレビ UCカード ヤマダ電機




一方、かつて棋戦をスポンサー企業として主催していた企業は以下の通りです。

かつて将棋のスポンサーをしていた企業一覧

日刊ゲンダイ

日刊ゲンダイで1978~2003年まで、オールスター勝ち抜き戦が毎日、掲載されていました。勝ち抜き戦ということで、連勝記録がたびたび話題になりました。

文芸春秋社

週刊文春で1973年~1987年まで名将戦というタイトル戦を毎週、掲載していました。

文芸春秋社の創業者である小説家の菊池寛が大の将棋好きだったことで社としてタイトル戦を主催していました。

テレビ東京

テレビ東京の前身の東京12チャンネル時代から1972~2003年まで、早指し選手権戦を毎週、日曜日に放映していました。 

大和証券

大和証券杯ネット将棋・最強戦という棋戦を2007~2012年まで、ネット上で主催していました。



将棋タイトル戦のスポンサー企業になる狙いとメリットとは?

将棋タイトル戦のスポンサー企業になる狙いとメリットについて、業種別・団体・政党別にまとめると以下のようになります。

新聞社

将棋タイトル戦のスポンサー企業の多くを占める新聞社の狙いは、どの新聞にも連載小説があるように将棋・囲碁欄があるからです。

草創期の新聞社は、定期購読者の獲得が至上命題でした。

将棋は、1つの対局が約1週間に渡り掲載されますので、”次の手なんだろう”という読者が増えれば、部数増につながるのではという狙いがあるため、現在に至っています。

また、タイトルを決定する七番勝負となるとテレビ等、他のメディアも報道しますので、プロモーション効果もはかれるというメリットもあります。

将棋タイトル戦のスポンサー企業に新聞社が多いのは、こうした背景からです。

ネット企業

2020年までネット企業で、唯一ドワンゴが将棋タイトル戦叡王戦のスポンサー企業となっていました。2年前に29連勝という前人未到の記録をうちたてた当時の藤井聡太四段フィーバーを契機に、ネットのAbemaTVで将棋を観戦する人が急激に増えました。

つまり、将棋とネットは思われていた以上に親和性が高いことがわかったのです。

ネット企業からすると将棋というコンテンツを通じて、自社のビジネスに誘導することも可能ですのでメリットは大きいです。

その他企業

リコーは、全国有数の強さを誇る将棋部があり、またヒューリックは、経営トップに将棋好きがいるということがスポンサーとなった大きな要因です。

将棋が縁となった形で東京千駄ヶ谷にある将棋会館が千駄ヶ谷駅近くのヒューリックが新たに建設するオフィスビルに移転することが本決まりになりました。

大阪王将は、藤井フィーバー以降、ネット中継を通じて、”将棋の対局中、昼何を食べるのか”に対する注目度がアップしていますので、そこで大阪王将の餃子を食べてもらえば、プロモーションにもなりますのでメリット大です。

2020年から叡王戦の主催となった不二家は、今や有名な藤井4冠のおやつ効果で、一部商品が品切れになりました。




テレビ局

現在、テレビ局で将棋を放映しているのはNHKのみです。
NHKは、将棋と囲碁を教育テレビの趣味・教養系のコンテンツとして不可欠と判断しているようです。

トーナメントの前座番組ともいえる将棋講座でテキストも販売できますので、NHKとしてもメリットは大きいのではないかと思います。

地方自治体

加古川青流戦と大山名人杯倉敷藤花戦は、兵庫県加古川市と岡山県倉敷市という地方自治体がスポンサーとなっています。

地方自治体が棋戦のスポンサーになるとは一昔前の将棋界ならありえなかったことです。

加古川市は久保利明九段等、市出身のプロ棋士が多いことでスポンサーとなっています。
倉敷市は、地元出身の不世出の大棋士大山康晴15世名人を記念してタイトルを創設、スポンサーとなっています。

メリットとしては、将棋を通じて、観戦等の観光を通じて、認知度が向上する等があります。

政党

政党として、唯一、タイトル戦を主催しているのが日本共産党の機関紙”赤旗”です。
赤旗では、アマチュアを対象にした赤旗名人戦を主催する等、将棋への取り組みに熱心です。

これは将棋好きで知られた故宮本顕治元議長の意向ではじめられ、現在に至っています。
将棋を愛好する層が支持基盤に重なるということで、党勢拡大にも効果があると判断しているようです。

■まとめ

①将棋のスポンサー企業のメインは朝日、読売等全国紙をはじめとする新聞社です。
新聞社が将棋のスポンサーになるメリットしては、毎日掲載される将棋欄目当てで定期購読者を獲得できることにあります。

②将棋のスポンサー企業にネット企業で初めてドワンゴがなりました。
ネット企業がが将棋のスポンサーになるメリットしては、ネット中継等を通じて、自社サイトに視聴者を誘導することが可能になることにあります。

③不二家、大阪王将、ヒューリック等その他の企業は自社製品のプロモーション、社名の認知度向上を目的としています。



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