囲碁の大三冠とは?本因坊戦の賞金減額の影響等、分かりやすく説明します。

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囲碁の大三冠とは?囲碁歴ン十年のヘボ初段の筆者が分かりやすく説明します。

囲碁大三冠とは?

日本の囲碁プロ棋士が参加して行われている七大タイトル棋戦の中で賞金額が上位3位までの棋聖、名人、本因坊の3つを同時に保持することを囲碁大三冠といいます。

これまで、大三冠を達成した棋士は、趙治勲と井山裕太の2棋士のみです。

ちなみに将棋では大三冠という捉え方も言い方もありません。
ですので、将棋界のタイトルをほぼ独占しているといえる藤井聡太7冠を大三冠とは、言いません。



本因坊戦の大規模改革と2024年度から大三冠が変更される可能性について

★本因坊戦の大規模改革について
大三冠の1角を占める本因坊戦の主催の毎日新聞社と日本棋院は、来期からの本因坊戦の運営方法について、
①賞金額を700万円に減額 ②挑戦者決定リーグを廃止、トーナメント方式に変更
③挑戦手合いを7番勝負から5番勝負に変更

という大幅な変更方針を発表しました。

本因坊戦の主催者の毎日新聞は、今や構造不況業種ともいえる新聞業界の中でも特に経営状況が厳しいとされており、今回の変更は本因坊戦を維持できる最低ラインという受け止め方をされていますが、最も歴史と権威を誇る本因坊戦だけに囲碁愛好家にも大きな衝撃を与えています。

問題は、賞金額の多少で決められている大三冠から本因坊が外されるのではないかということです。

以下のように本因坊戦の賞金が減額されると賞金上位は、棋聖、名人、王座の順になります。

★24年度以降の7大タイトル戦の概要
【棋聖戦】
主催 読売新聞社、日本棋院、関西棋院

優勝賞金 4500万円(第47期から4300万円)

挑戦手合 2日制7番勝負、持ち時間各8時間

創設年 1976年

【名人戦】
主催 朝日新聞社、日本棋院、関西棋院

優勝賞金 3000万円

挑戦手合 2日制7番勝負、持ち時間各8時間

創設年 1974年

【本因坊戦】
主催 毎日新聞社、日本棋院、関西棋院

優勝賞金 2800万円→700万円に減額

挑戦手合 2日制7番勝負、持ち時間各8時間

創設年 1939年

【王座戦】
主催 日本経済新聞社、日本棋院、関西棋院

優勝賞金 1400万円

挑戦手合 1日制5番勝負、持ち時間各3時間





【天元戦】
主催 新聞三社連合(北海道新聞社、東京新聞、中日新聞社、神戸新聞社、徳島新聞社、西日本新聞社)、日本棋院、関西棋院

優勝賞金 1200万円

挑戦手合 1日制5番勝負、持ち時間各3時間

創設年 1974年

【碁聖戦】
主催 新聞囲碁連盟(河北新報社、新潟日報社、信濃毎日新聞、静岡新聞社、北國新聞社、京都新聞社、山陽新聞社、中国新聞社、四国新聞社、高知新聞社、熊本日日新聞社、南日本新聞社、沖縄タイムス社)、日本棋院、関西棋院

優勝賞金 800万円

挑戦手合 1日制5番勝負、持ち時間各4時間

創設年 1975年

【十段戦】
主催 産経新聞社、日本棋院、関西棋院

優勝賞金 700万円

挑戦手合 1日制5番勝負、持ち時間各3時間

創設年 1961年

現行の大三冠は、各々の棋戦の歴史や権威は考慮せず、賞金額だけで決めれていますので来年度以降は、特例・基準の見直しでもない限り、大三冠=棋聖、名人、王座3つを同時に保持することということになりそうです。
※将棋タイトル戦も賞金額だけでタイトル戦の序列が決められています。

タイトル戦で唯一、獲得者は本名から 1字をとって号を作る慣例があり、囲碁の歴史そのものといえる本因坊戦が大三冠から外れるとなれば、プロアマ問わず大きなインパクトを与えそうです。

まとめ

①囲碁大三冠とは、一人の棋士が棋聖、名人、本因坊の3つを同時に保持すること

②2024年度からの本因坊戦の大規模変革により大三冠の意味が変わる可能性があります。




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