いぶし銀とは?
いぶし銀という言葉は、燻しを銀に用いる技法が由来とされています。漢字での表記は「燻し銀」。
野球等の特定のスポーツでよく使用される言葉です。
いぶし銀とは、野球のチームで目立たないけど、実は勝利に重要な貢献をしている選手に対して用いられます。
”あの選手は目立たないけど、いぶし銀的なプレイでこの試合の勝利に重要な貢献をした”というように表現されます。
スポーツでもいぶし銀という表現が馴染まない競技があります。
具体的には、個人プレイが主体のテニス、卓球、ゴルフ、バトミントン、柔道、空手等です。
つまり、チームプレイが主体の競技だからこそのいぶし銀的な役割の選手ということになりますので、そもそも単独でプレイするような競技では、役割分担などあり得ません。
ですので、いぶし銀は、スポーツ全てではなく、チームプレイが主体の競技において、よく使用されるということになります。
スポーツ以外でいぶし銀で使用される事例
・ドラマや映画で脇役の俳優による玄人受けする演技に対して、いぶし銀的な演技というように表現されることがあります。
いぶし銀的な演技は、よく使用される渋い演技とほぼ同じ意味です。
・ビジネス上でも彼がいぶし銀的な活躍をしてくれたおかげでプロジェクトが成功した。というような使われ方をすることがあります。この場合、縁の下の力持ち的な役割を果たしてくれたことに対して表現されることが多いです。
いぶし銀の特長
いぶし銀の特長は、短所でもありますが、よく言えば玄人受け、悪く言うと”分かる人にしか分からない”傾向があることです。
野球を例にとるとホームランを打つというのは、誰にでも理解しやすい派手な活躍ですが、”難しい打球をキャッチして失点を防いだ”、”機転の利いた走塁で得点に結びついた”というようなプレイは、試合をよく見ていないとなかなか気が付きにくいものです。
後者のようなプレイがいぶし銀的なプレイの典型例ですが、説明されないと理解されにくいといういぶし銀の特長です。
いぶし銀は誉め言葉
いぶし銀は、縁の下の力持ちという意味もありますので、誉め言葉です。
いぶし銀は、スポーツでもビジネス上でも一定の技量・スキル・キャリアがあることが前提となっていますので、誰に対しても使用されるわけではありません。
スポーツでも、ベテラン選手なら、すべていぶし銀と評されるわけではありません。
あくまでも他の選手と比較して優れていることが前提ですので、いぶし銀は誉め言葉ということになります。
いぶし銀と性格の関係
いぶし銀は技能やキャリアを前提にした役割に対して表現されますので、その人の性格が地味であるかとか目立たないということについては基本的には関係ありません。
あるバラエティー番組でそれこそいぶし銀的な演技でしられる俳優が目立ちたがり屋キャラだったことがあり、演技との落差に驚かされたものです。
ですので、いぶし銀的な演技をするから地味で目立たない性格とは限りませんというか無関係といえます。
地味で目立たない性格だから、いぶし銀的なプレイや演技をするわけではないのです。
いぶし銀の反対語とは?
逆に野球を知らない人でも知っている大谷選手の2刀流の活躍を称して、いぶし銀的なプレイとは言いません。
サッカーなら三笘選手のドリブルで相手チームに切り込んでゴールをゲットというプレイに対して、いぶし銀的な役割を果たしたとは表現しません。
”華麗なドリブルを起点にゴールを導いた”とでも表現されるでしょう。
大谷選手や三笘選手の活躍は誰にでも分かりやすい派手な・華麗な活躍ということになります。
ですので、いぶし銀の反対語は、派手な・華麗なということになります。
いぶし銀が女性に使用されない背景とは
いぶし銀は、女性に使用されないのが通例です。
これは恐らく、いぶし銀がよく使用される野球等のチームプレイ主体の競技にこれまで女性が参加してこなかったことが背景にあるのではないかと思います。
最近、野球やサッカーのようなチームプレイ競技における女性の進出は著しいものがありますので、そのうち、女性にもいぶし銀的な選手という表現がされるようになるかもしれません。
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