関税は何か?誰が誰にどうやって払う?なぜ必要なのか?節税できるのか?

関税とは何か?なぜ必要なのか?その定義

関税とは何か?その定義

関税とは、外国から輸入される商品に対して課される税金のことをいいます。
 

関税はなぜ必要なのか?

関税は、輸入国の国家財産に帰属することになります。

かつては、国家財政を支えるものとしての重要性がありました。

しかし、世界的な自由貿易の拡大による関税撤廃の動きや関税率の引き下げのため、関税の国家財産に占める重要性は、年々低くなってきています。

一方いまでは、外国製品に対して関税を課すことで、国内製品を安価な外国製品との競争から保護することの方が重要だと言えます。
安価な外国製品が無関税で国内に流通してしまうと、国内製品の需要が低下し、国内産業の停滞に繋がりかねません。

そのため、外国製品には一定の関税を課し、国内産業を保護する必要性があるのです。

特に日本の主食とされるコメをはじめとした農産物に関しては、生産者保護の観点から、政治問題になりやすくなっています。



関税が必要がないケースはあるのか?

この点、ゴムや紙などの無課税品として定められている商品に対しては、関税は必要ありません。

このような無課税品は全体の約35%あります。
また、FTA(自由貿易協定)などの条約で関税が撤廃されているような場合があります。

このような商品を輸入する場合、関税は必要ありません。

関税は節税できるのか?

関税は、輸入国と商品によって、課される税率が異なってきます。

そして、ここに特恵関税制度というものがあります。

特恵関税制度とは、発展途上国から商品を輸入する場合、減税されたり、もしくは免税されたりする制度のことで、発展途上国の経済発展を促進させることを目的としています。
この特恵関税を利用すれば、通常の関税よりも低い税率で商品を輸入することが可能となっており、節税効果を得ることができます。

国別の関税の所管行政庁や仕組み・税率

日本

日本では、財務省関税局が、関税に関する業務を担当しています。

そして、税関は財務省の地方支分部局にあたり、函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司、長崎の8税関並びに沖縄地区税関が設置されています。
それぞれの商品についての税率については、輸入統計品目表(実行関税率表)によって定められています。

アメリカ

アメリカは、国土安全保障省の管轄にある税関国境保護局(CBP)と呼ばれる機関が関税についての業務を担当しています。

アメリカでは、NTR(最恵国)に該当する国とそうではない国とに分けて、税率を課しています。

NTRに該当する国には、FTA(自由貿易協定)などの条約が適用される場合を除いては、通常の一般税率が課されることになります。
そして、税率は米国関税率表によって定められています。

ウクライナ戦争を理由として、最近、アメリカはロシアをNTR(最恵国)から除外しました。

中国

中国では、国家税務総局、税関総署、財政部関税司 (国務院関税税則委員会)が関税についての業務を担当しています。
税率については輸出入税則にすべての品目が記載されています。

イギリス

イギリスでは、歳入関税庁(HMRC)が関税に関する業務を担当しています。

イギリスの場合、EU離脱に伴い、関税に関する制度が大幅に変更されています。

現在では、自由貿易協定や特恵関税が適用される場合を除いては、「UKグローバルタリフ(UK Global Tariff:UKGT)」における実行最恵国税率(MFN税率)が適用されています。
また、そのEU離脱の影響から、北アイルランドに関する特別措置も導入されています。



関税は誰が払う?輸入の場合

・アメリカから100万円の商品を輸入した場合の関税はいくらか
100万円の商品の場合、簡易税率の対象にはなりません。

日米貿易協定が対象とする商品、もしくは、無税品に該当しない限りは、商品内容ごとに輸入統計品目表(実行関税率表)に記載されている通常の関税が適用されることになります。

・関税はどうやって誰が誰に支払うのか?
日本の輸入業者が日本の税関に支払うことになります。

・関税の支払い方法は?
まず、商品を輸入する際には、税関にその旨を申告するとともに、納付書を提出します。

そして、商品の審査終了後に、その納付書をもって銀行の窓口などで、関税を支払うことになります。

関税は誰が払う?輸出の場合

・アメリカに100万円の商品を輸出した場合の関税はいくらか
日本はNTRに該当する国です。
日米貿易協定が対象とする商品でない限りは、商品ごとに一般税率が適用されることになります。

・関税はどうやって誰が誰に支払うのか?
アメリカの輸入業者がアメリカの税関に支払うことになります。




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