ボストン美術館展「芸術×力」開催日程とチケット購入方法・見どころ・一押し作品一覧

アート関連情報

2020年4月16日から、東京上野の東京都美術館で開催されるボストン美術館展「芸術×力」の開催日程、チケット購入方法、見所、一押し作品についてわかりやすくお伝えします。

ボストン美術館は2020年に設立150周年記念を迎えます。

その記念すべき年に開かれる本展では、エジプトのファラオ、ヨーロッパの王侯貴族から日本の天皇、大名をはじめ、古今東西の権力者たちに関わる作品を紹介します。

本展覧会の副題にもあるように、「芸術と力」の関係は芸術作品を理解する上で重要な観点です。

本展では、洋の東西を問わず芸術が担ってきた社会的役割を古来から現在に至るまで振り返り紐解きます。



ボストン美術館展 芸術×力 開催概要

・開催期間:2020年4月16日(木)~7月5日(日)
・鑑賞可能時間:9:30~17:30 (入室は閉室の30分前まで)
※金曜日、5月20日(水)、6月17日(水)は9:30~20:00
* 入館は閉館の30分前まで

・休館日:月曜日
※ただし、5月4日(月・祝)、6月29日(月)は開室
・会場:東京都美術館

・入場料:一般 1,600円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000円

・販売場所:東京都美術館:午前9時30分~午後5時30分・店頭販売:セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ各店舗の端末にて、チケットぴあ店舗

・オンライン販売:ボストン展オンラインチケット、Yahooチケット、Rakutenチケット、LINEチケット、イープラス、日テレゼロチケ、ローチケ、チケットぴあの各公式ウェブサイト

・会場へのアクセス方法:
JR上野駅「公園口」より徒歩7分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅「7番出口」より徒歩10分
京成電鉄京成上野駅より徒歩10分



主な展示作品

・《ラメセス2世像上半身部分》
エジプト(ブバスティス出土)、新王国、第19王朝、ラメセス2世治世時、紀元前1279-紀元前1212年 Museum of Fine Arts, Boston, Egypt Exploration Fund by subscription

・《メアリー王女、チャールズ1世の娘》
アンソニー・ヴァン・ダイク 1637年頃、油彩・カンヴァス
Given in memory of Governor Alvan T. Fuller by the Fuller Foundation

・《マージョリー・メリウェザー・ポストのブローチ》
アメリカ、1929年
オスカー・ハイマン社(アメリカ、1912年設立)、マーカス社(アメリカ、1892-1941)のために製作
William Francis Warden Fund, Marshall H. Gould Fund, Frank B. Bemis Fund, Mary S. and Edward Jackson Holmes Fund, John H. and Ernestine A. Payne Fund, Otis Norcross Fund, Helen and Alice Colburn Fund, William E. Nickerson Fund, Arthur Tracy Cabot Fund, Edwin E. Jack Fund, Frederick Brown Fund, Elizabeth Marie Paramino Fund in memory of John F. Paramino, Boston Sculptor, Morris and Louise Rosenthal Fund, Harriet Otis Cruft Fund, H.E. Bolles Fund, Seth K. Sweetser Fund, Helen B. Sweeney Fund, Ernest Kahn Fund, Arthur Mason Knapp Fund, John Wheelock Elliot and John Morse Elliot Fund, Susan Cornelia Warren Fund, Mary L. Smith Fund, Samuel Putnam Avery Fund, Alice M. Bartlett Fund, Benjamin Pierce Cheney Donation, Frank M. and Mary T.B. Ferrin Fund, and Joyce Arnold Rusoff Fund
Reproduced with permission.

・増山雪斎《孔雀図》江戸時代、享和元年(1801)
、Museum of Fine Arts, Boston, Fenollosa-Weld Collection

・《モンスーンを楽しむマハーラージャ、サングラーム・シング》
インド北部(メーワール、ラージャスターン地方)、ムガル帝国時代、1720?1725年頃、Museum of Fine Arts, Boston, Gift of John Goelet

・《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》(部分)鎌倉時代、13世紀後半
Fenollosa-Weld Collection

・《吉備大臣入唐絵巻》(部分)平安時代後期-鎌倉時代初期、12世紀末





ボストン美術館展「芸術×力」のみどころ・特長とは?

★特長

エジプト、アジア、ヨーロッパ、日本などの古今東西の大傑作が東京都美術館に集結です!

・芸術が結びついてきた「権力=力」との関係を軸に集められた計60点あまりの作品が展示されます。

・“幻の国宝”とも言われる日本生まれの作品が里帰り展示にも注目!

★みどころ

本展覧会のみどころは、芸術とは切り離せない「権力」との関係性です。

古今東西より、権力者の自らの威信を示すものとして芸術作品を利用してきました。

今回展示されるエジプトのファラオ「ラメセス2世」や「メアリー王女」などの彫像や肖像画は時の権力者が自らの力を示すために芸術家に制作させたものです。

こうした宮廷を彩ってきた芸術作品の数々を一堂に会して見ることで、芸術作品と権力の関係を追って見ることができます。

また、注目したいのは「日本にあれば国宝間違いなし」とも言われる『平治物語絵巻』と『吉備大臣入唐絵巻』の2本です。『吉備大臣入唐絵巻』は1964年、1983年、2000年、2010年、2012-13年以来の里帰り展示となりますが、いずれの展示でも大注目でした。

市民美術館であるボストン美術館は美術史の教科書のようなバランスの良い所蔵作品で有名です。

ボストン美術館展に赴けば、古今東西の大傑作で美術史の根底にある芸術と力の関係の歴史を学べること間違いなしです。



★美術史専攻の筆者一押し作品

美術史専攻の筆者一押しは以下の作品です。
《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》(部分)鎌倉時代、13世紀後半
Fenollosa-Weld Collection

平治物語とは平安時代末に後白河上皇と二条天皇、その近臣たちの対立を背景に起こった「平治の乱」を描いた絵巻です。
今回公開されるのは、藤原信頼と源頼朝らが後白河上皇の御所を襲撃し、条項を拉致している場面を描いたものです。

逃げ惑う人々や襲撃によって御殿が燃え上がる様子は日本絵巻のイメージを覆すような迫力です。

このような日本美術の大傑作が国外に流出した経緯は、「フェノロサ」という人物の尽力が背景にあります。

アメリカ人であるフェノロサは1878年に来日し、大学で哲学や美学などを教えていました。

当時、外国人である彼の目には日本の屏風絵、仏教絵画、浮世絵は新鮮に映りましたが、当の日本人は西洋に追いつくことを目標としていたため日本美術は軽視されていました。

これに危機感を覚えたフェノロサは日本美術の蒐集と保存に努め、本国に戻った後ボストン美術館の日本部長となり日本で蒐集した作品の数々を国外で保存することになりました。

つまり、フェノロサが国外へ日本美術作品を持ち出さなければ、この絵巻物の価値も伝わらなかったかもしれないということです。

これもまた芸術と時代の価値観という力の関係が現れていて興味深いです。

こうした一つの作品がそこで展示されるまでの経緯を辿ってみても面白い展覧会なのではないでしょうか。

まとめ

ボストン美術館は2020年に設立150周年を迎えます。開館当初6000点だった所蔵作品は現在では約50万点におよびます。

そのコレクションの数々は古代エジプト、アジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸など世界各国古今東西の幅広いジャンルが所蔵されておりどれも大変貴重なものです。

今回、来日する計60点の作品たちはどれもその国の傑作と言われるようなものばかりです。

絵画や彫刻などの造形芸術だけではなく、ブローチなどのジュエリーも展示されており、百科事典のような展示を見ることができるでしょう。

ぜひ、ボストン美術館点に足を運んで古今東西の芸術作品と力の関係をご覧ください。



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