未明(みめい)とは何時頃?深夜・夜中・夜更けとの違いは?

未分類

未明の意味する時間とは?

「未明」は、”まだ明けない、明るくない”という本来的な意味から、時間的には「夜がまだすっかり明けきらないころ」を示します。

辞書や辞典でも「未明」について、「夜がまだすっかり明けきらないころ」という意味であると明示しています。

具体的には、「午前3時ごろ~日の出前後」のまだ暗い時間帯を意味します。

平成15年度にNHK放送文化研究所が全国調査を行った際に、「未明」とは具体的にどんな時間帯を意味するのか尋ねたところ、”午前3~4時から5時頃”とする回答が最も多かったということです。

でも、毎日見聞きするテレビや新聞では、「未明」について「午前3時ごろ~日の出前後」の時間帯以外でも「未明」が用いられています。



テレビ・新聞での未明の意味する時間とは?

テレビ・新聞での未明の意味する時間は、「午前3時ごろ~日の出前後」に加えて「午前0時~3時ごろ」も含めることが通例となっています。

「午前0時~3時ごろ」という時間帯は「未明」というより、「夜中」「深夜」の方がピンとくる人が多いのではないでしょうか。

テレビ・新聞のニュースで重要・必須な情報の一つは”その事件・事故がいつ起きたのか?”です。

もし、ニュースで”深夜”や”夜中”を使うと、情報の受け手は、”昨日の深夜なのか今日の深夜なのか”判別しにくくなるということになりかねません。

例えば、NHK午後0時のお昼のニュースで「今日の深夜(夜中)」と言うと,これから先の深夜(夜中)のことなのか,過去の深夜(夜中)を意味しているなのか視聴者が理解しにくくなってしまいます。

つまり、深夜や夜中の時を示す用語としての最大の弱点は、”昨日と今日にまたがり、日にちを特定しにくい”ことにあります。

その点、未明であれば、少なくとも午前0時以降を意味しますので、情報の受け手もこのニュースはいつの日に起きたことであるのかの認識が容易になります。

上記のようなことから、テレビ・新聞では、未明が本来意味する「午前3時ごろ~日の出前後」に加えて「午前0時~3時ごろ」も含めることが通例となっています。

天気予報で、新聞・テレビ以上に時間に関する用語に敏感な気象庁は「時に関する用語」として、時間帯を表す言葉を細かく定義しています。

そのうち、未明に近い時間帯の定義は以下のようになっています。

気象庁の「時に関する用語

・未明
午前0時から午前3時頃まで。

・夜明け
日の出の前の空が薄明るくなる頃。

・明け方
午前3時頃から午前6時頃まで。

・早朝
一般の人が活動を始める前。季節、地域にもよるが「夜明け」からおよそ1~2時間。

・夜遅く
21時頃から24時頃まで。

気象庁は、「未明」については、辞書で示されている時間帯よりも早い時間帯であると定義している一方で、深夜や夜中については一切使用していないという特長があります。

また、”夜更け”について、対象時間が不明確な用語なので用いない。としています。

”夜更け”は、新聞やテレビでも見聞きしません。

以上のように「未明」について、新聞・テレビ等の報道機関、気象庁のそれぞれが、本来の意味とは違った時間帯について「未明」として用いています。

まとめ

①「未明」の本来の意味=「午前3時ごろ~日の出前後」のまだ暗い時間帯

②新聞・テレビで使われる「未明」の意味=「午前0時~3時ごろ」と「午前3時ごろ~日の出前後」

③気象庁で使われる「未明」の意味=「午前0時~3時ごろ」

上記のように「未明」について、本来の意味とは異なる時間帯で用いられていますが誤用というより、情報の受け手に配慮したことによるものと言えそうです。



コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました