中国国家主席と総書記・首相（総理）の違いとは？誰が一番偉い？

中国国家主席と総書記・首相（総理）の違いやこの職名で誰が一番偉いかについて分かりやすく説明します。

中国での要人の役職や地位について理解するためには、まず中国の政治体制・権力機構について理解する必要があります。

中国の政治体制・権力機構の特長

中国の政治体制・権力機構の特長は、中国共産党による一党独裁による共産主義体制であることです。

共産主義体制では、国家より共産党の方が権力機構において上位にきます。
実際、中国では”中国共産党が国家を指導する”と憲法で規定されています。

従って、役職や地位については、国家のトップより共産党のトップの方が上位の役職、つまりより偉いということになります。

・中国国家主席とは？
国家主席を英語では、presidentと言います。

presidentは、政治の世界では大統領（国家元首）を意味しますので、中国国家主席とは中国の元首ということになります。

初代の国家主席は、中華人民共和国の建国の父、毛沢東です。

・中国共産党総書記とは？
総書記とは、日本語では書記長を意味します。

世界で最初の共産主義国家ソ連では、共産党のトップは、ソビエト共産党書記長とされていました。

一般には書記というと事務屋的なイメージがありますので、なんで書記長がトップなのかと思われる方もいらっしゃると思います。

これは、共産主義の祖国ソ連の独裁者スターリンが書記出身だったからです。
スターリンが書記の時は、会社だと総務部長兼人事部長のような役割でした。

人事権を握ることで共産党全体に大きな影響を及ぼすことが可能となり、レーニン死去後にスターリンが実権を握ることになったとされています。

スターリンはソビエト共産党書記長という肩書で悪名高い独裁者として権力を意のままに行使しました。

・中国の首相（総理）とは？
中国の首相とは、日本で言えば内閣総理大臣に等しい役職です。
中国では、日本の内閣に相当する組織を国務院と言い、首相（総理）は国務院のトップという意味です。

行政権のトップという言い方もできます。

中国首相の正式職名は、国務院総理です。

中国国家主席と中国共産党総書記・首相で一番偉いのは、中国の政治・権力機構の最上位に位置づけられている中国共産党のトップに相当する中国共産党総書記です。

次に偉いのは、他国では大統領に相当する国家主席で、首相はその次の職位になります。
かつては国家主席と総書記が別の人物であることもありましたが、現行の習近平総書記体制になってからは、総書記と国家主席は同一人物が就くようになっています。

・中国国家主席＝他国であれば大統領に相当する役職で国家元首
　中国共産党総書記＝中国共産党のトップ、首相（総理）は国家・行政権のトップを意味します。

・上記の3つの役職については偉い順に
中国共産党総書記＞中国国家主席＞首相（総理）ということになります。