現在のトランプ大統領は、共和党からの選出です。
アメリカ政治は共和党と民主党の2大政党制でどちらかの政党から大統領候補として選出されない限り、アメリカ大統領になることは出来ません。
これまで、アメリカ大統領は民主党出身者と共和党出身者がほぼ交互に勤めてきていて、4期連続で同じ政党が政権を維持していたことはありません。
そこで、第二次大戦後における共和党のアメリカ大統領一覧とその評価をまとめてみました。
第二次大戦中は、日本に宣戦布告したフランクリン・ルーズベルト大統領、後を継いだハリー・S・トルーマン大統領と民主党政権の時代でした。
第二次大戦後から現在に至るまでは、ほぼ交互に共和党と民主党の間で政権交代が行われてきています。
第二次大戦後における共和党出身のアメリカ大統領は下記の通りです。
■第二次大戦後における共和党出身のアメリカ大統領一覧とその評価
★ドワイト・D・アイゼンハワー
・在任期間
1953年~1961年
・業績・評価
第二次大戦中にヨーロッパにおける連合国軍指揮官を務めた生粋の軍人。
1960年に訪日が計画されていましたが、当時、国内で激しくなっていた安保反対運動で大統領の身の安全が保証できないという日本側からの要請で訪日は実現しませんでした。
また、第二次大戦における日本に対する原爆使用に反対したとされています。
アメリカ国内での評価は、”結局何もしなかった”大統領という見方が有力です。
★リチャード・ニクソン
・在任期間
1969年~1974年
・業績・評価
ニクソンショックという言葉は、今も新聞やテレビで見聞きすることがあります。
ニクソンショックとは、1971年にニクソン大統領が金とドルの交換停止と同時にそれまでの1ドル=360円という固定相場制を停止、現在に至る変動相場制に移行させた経済政策のことを意味します。
もう一つ世界を驚かしたことは、それまで敵対関係にあった中国を電撃的に訪問、国交に道を開いたことです。
この電撃的な訪問は、当時の田中角栄首相の中国訪問、国交回復という行動を引き起こしました。
また、2期目の大統領選挙の選挙運動の最中にウォーターゲートにある民主党本部に自身の関係した運動員が侵入・盗聴したことで逮捕された責任をとり、2期目の任期途中で辞任したことでも世界を驚かせました。
この一連の不祥事はウォーターゲート事件として、現在も世界に広く知られています。
とにかくニクソン大統領は任期は5年でしたが、後世に語り継がれる政策や事件を引き起こしたことで、歴代アメリカ大統領の中でも最も記憶に残る人物とされています。
ニクソン大統領は、ウォーターゲート事件で失脚したことで評価は最悪でしたが、近年、為替相場を変動相場制に移行させたことや中国との関係正常化に道を開いたということでその功績が再評価されています。
★ジェラルド・R・フォード
・在任期間
1974年~1977年
・業績・評価
副大統領として仕えていたニクソン大統領がウォーターゲート事件で失脚したため、アメリカ合衆国憲法により、副大統領から大統領に昇格しました。
フォードは、前任の副大統領が辞任したため就任したもので、国民の直接選挙の洗礼を受けたことのない初めての大統領でした。
1974年11月18日に現職のアメリカ大統領として初めて日本を公式訪問し、昭和天皇と会見しました。
1975年には天皇として初訪米した昭和天皇を迎えました。
これは、まだ戦争の傷跡・憎悪が少なからず存在していた日米両国にとって歴史的な出来事として記憶されています。
★ロナルド・レーガン
・在任期間
1981年~1989年
・業績・評価
ロナルド・レーガンは、前任の民主党カーター大統領に記録的な得票差をつけて当選しました。
在任中の最大の功績は、”強いアメリカ”を広言し、軍事力増強を進めたことで当時、経済的に行き詰まっていたソビエトが白旗を掲げたような形で、冷戦を終結に道を開いたことです。
俳優出身の明るいキャラクターは、アメリカの父として党派を問わず愛され、現在でも共和党政治家に大きな影響を与えています。
日本との関係では、当時の中曽根首相と”ロン・ヤス関係”とよばれる親密な関係を結びました。
★ジョージ・H・W・ブッシュ
・在任期間
1989年~1993年
・業績・評価
第二次大戦中の1944年マリアナ沖海戦で日本機の銃撃によって、中尉時代の1944年9月2日には小笠原諸島沖で父島地上砲台の対空砲火を浴びて乗機を撃墜されましたが、いずれも味方に救助され生還するという経験を経ています。
1991年1月17日には、湾岸戦争に参戦することを決定、勝利を収めたことで、支持率は歴代大統領最高の約90%を記録しました。
しかし、その後、経済政策に失敗したことで再選をねらった大統領選挙で民主党のダークホース的な候補だったクリントンに敗北。
カーター、フォードに続く3人目となる1期だけの大統領に終わりました。
日本と直接戦った経験がありましたが昭和天皇の大喪の礼に参列しました。
★ジョージ・W・ブッシュ
・在任期間
2011年~2009年
・業績・評価
2代前の大統領だった父親が生きている間に大統領になったアメリカでは珍しい世襲政治家。
2001年9月にアメリカで発生した同時多発テロ事件後、「テロとの戦い」を宣言。
アフガニスタン侵攻を決断、ターリバーン政権を倒しアルカーイダを壊滅させて、ウサーマ・ビン・ラーディンを殺害することを命じた。
2003年3月には、大量破壊兵器の存在を理由にイラク侵攻を命じ、フセイン政権を打倒しました。
このイラク侵攻に関しては後に”大量破壊兵器の存在”が確認できなかったことで、そもそもイラク侵攻に正当な理由があったのかということで国際的な非難を浴びました。
また、このことで中東から強い嫌悪感を示されています。
アメリカ国内でも同様の非難を浴び続けたことで平和・対話志向のオバマ政権の誕生につながりました。
日本との関係では、小泉首相と個人的に親密な関係を築きました。
★ドナルド・トランプ
・在任期間
2017年~
・業績・評価
オバマ政権時代で行われてきた政策を全てひっくり返すような政策を実行しています。
国内の政策では、オバマ時代に実現した日本の国民皆保険制度のような健康保険制度の停止、移民に対する規制強化。
対外的には貿易不均衡是正を目的とした特に中国に対する敵対的な政策。
また、オバマ時代に融和したイランやキューバとの関係の見直しによる関係悪化。
日本からみるとこんなメチャクチャナ人物がなぜ大統領にという声も少なくないようですがアメリカでは、一定の支持を得ているのです。
対抗する民主党からは、現状、強力な大統領候補が出ていませんので、このまま特に大きな失政やスキャンダルがなければ、再選も十分ありえるという見方が有力です。
コメント