インドとインドネシアの違いについて、歴史や宗教、使用言語等からわかりやすく説明します。
後半では、インドとインドネシアが国名が似ている理由について歴史的経緯を交えて説明します。
インドとはどんな国?
インドは、人口13億8,000万人と中国に次いで人口の多い国です。
1947年にそれまでの英国領から独立、現在に至っています。
現在のパキスタンやバングラデシュは元々同じ国でしたが、イスラム教徒とヒンドゥー教徒の対立から、分離独立され、別々の国となり、現在に至っています。
従って、国民の約8割がヒンドゥー教徒という世界最大のヒンドゥー教国家。
宗教はヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%。
連邦公用語はヒンディー語。
政治体制は、大統領を元首とする共和国で、行政府の長が首相となっています。
欧米や日本と同じ、総選挙の結果、多数を占めた党が政権を担うことから、世界最大の民主主義国と呼ばれています。
インド共和国(Republic of India) 基礎情報
面積
328万7,469平方キロメートル(インド政府資料:パキスタン、中国との係争地を含む)(2011年国勢調査)
人口
13億8,000万人(2020年世銀資料)
首都
ニューデリー(New Delhi)
民族
インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族等
言語
連邦公用語はヒンディー語、他に憲法で公認されている州の言語が21言語
宗教
ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%
(2011年国勢調査)
識字率
73.00%(2011年国勢調査)
インド国歌
略史
年月 略史
1947年 英国領より独立
1950年 インド憲法の制定
1952年 日インド国交樹立、第1回総選挙
インドネシアとはどんな国?
インドネシアは約18,000の島々にるおよそ300以上もの異なる民族が暮らす、世界最大の島嶼国家。
人口約2億5千万人でアメリカ合衆国に次ぐ第4位。
1945年にオランダから独立。
政治体制は、共和制で、国家元首は、国民の直接選挙で選ばれる大統領。
言語は、インドネシア語。
国民の約9割がイスラム教徒という世界最大のイスラム教国家。
2022年1月にインドネシア国会は、首都をジャカルタからカリマンタン島(ボルネオ島)東部に移転し、新首都名を「ヌサンタラ」とする法案を可決
インドネシア共和国(Republic of Indonesia)
面積
約192万平方キロメートル(日本の約5倍)
人口
約2.70億人(2020年、インドネシア政府統計)
首都
ジャカルタ(人口1,056万人:2020年、インドネシア政府統計)
民族
大半がマレー系(ジャワ、スンダ等約300種族)
言語
インドネシア語
宗教
イスラム教 86.69%、キリスト教 10.72%(プロテスタント 7.60%、カトリック 3.12%)、ヒンズー教 1.74%、仏教 0.77%、儒教 0.03%、その他 0.04%
(2019年、宗教省統計)
インドネシア国歌
略史
年月 略史
7世紀後半~ スマトラに仏教国スリウィジャヤ王国が勃興。
8世紀 中部ジャワに、仏教国シャイレンドラ王朝が興り、ボロブドゥール等の有名な仏跡を残す。
13世紀 イスラム文化・イスラム教の渡来。北スマトラのアチェ地方に最初のイスラム小王国が現れる。ジャワにマジャパイト王国が勃興し、ジャワ以外にも勢力を伸長。
1602年 オランダ、ジャワに東インド会社を設立。
1799年 オランダ、東インド会社を解散、インドネシアを直接統治下におく。
1942年 日本軍による占領(~1945年)。
1945年 8月17日、スカルノ及びハッタがインドネシアの独立を宣言。スカルノが初代大統領に選出。オランダとの間で独立戦争(~1949年)。
1949年 ハーグ協定によりオランダがインドネシアの独立を承認。
インドとインドネシアの国名が似ている理由についてわかりやすく説明
インドネシアとは、インドを意味する Indoにギリシア語の「島嶼」を意味する nesos、ギリシア語で「国」などの意味をもつ接尾辞ia を組み合わせて作られた合成語で「インドの島々」という意味があります。
オランダやイギリス等がインドや東南アジアを植民地としていた時代、現在のインドネシアという言葉は、インド亜大陸の東に広がる島々の総称として生み出されました。
植民地時代のヨーロッパの人々からするとインドがあまりにも大きな存在だったため、その先にある無数の島々を総まとめでインドネシアとしたのです。
この名称を現在のインドネシア共和国がそのまま国名として使用し、現在に至っています。
要するにインドとインドネシアは、歴史的に全く別の国なのに関わらず、ヨーロッパ人にわかりやすいようにという理由から、インドネシアと名付けられたのです。
ちなみに同じ東南アジアのフィリピンの国名も植民地としていたスペインの”フィリペ王のもの”という意味があるフィリピンと名付けられ、現在に至っています。
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